【HQ】日向翔陽と私 。２【日向翔陽】

限界　研磨side ページ23

.




「ギャルゲー…？」


目を点にしながら首を傾げるA。



「Aはわからなくていいんだよ」

「な、なんかあしらわれてる感…」


そう言われても険しい顔をして考えるAだけど

すぐ話そうとしていたことを思い出したようで


「研磨くん、それでね…」


本題へと入る









…









あぁ。なるほど。


道理で翔陽の顔が耳まで真っ赤だった訳だ




「で、でも答えは聞けず終い…
　ぶっ倒れるとか笑えないほんと」



枕に顔を埋めるAの耳も、
翔陽のように真っ赤だ









…ねえ、そんなの最初から分かってた筈でしょ、

おれ。




何を今更、驚くことがある？





どうしようもない気持ちが行き場をなくして



「研磨くん？」



言葉が詰まっているのがわかる



ひっかかって取れない、この気持ちを

伝えたら。

少しでも楽になれるのかな


なんて、自分らしくない事を考える



「A」



血液が規則正しく流れていくように時は進む

おれが初めて経験した気持ち、

おれが初めて好きだと感じた女の子






『…俺は諦めんのあんま好きじゃねーからな。
　やれることはやるんじゃねーかな』






いつしかクロに言われたことを思い出す







生憎、おれも負けず嫌いなもので。

翔陽ばかりに気を取られているAを見るのは

もう限界なんだよね






「なんですか？」






ふわりと笑うAと

2人きりの保健室








静寂に包まれる中









ちゅ、









小さなリップ音が響いた

無事だった　日向side→←研磨くんと保健室

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す