【ダイヤのA】何度でも君に恋をする【成宮 鳴】

始業式 ページ6

｢あーー、2年かぁぁぁ！｣

｢煩いA!!お願いだから静かにして！｣




今日は始業式。

新たな生活が始まるこの瞬間。
私には、ワクワクせずにはいられない！



紗代｢ほんっと、落ち着きないよね｣

｢すいません｣


隣にいるのは、私の親友。



｢校長、話し長いし…｣

紗代｢はいはい。我慢しなさい｣

｢むー｣



仕方なく大人しくしていると、
校長先生の話しも終わり、
着任式が始まる。



紗代｢ねね！あの先生、かっこよくない！？｣


私の肩をバシバシと叩きながら
興奮する紗代。


｢わかった。痛い｣

紗代｢あ、ごめん。いやでもイケメンだよ｣

｢えー？どの人？｣




ほら、と一番右に立っている
スタイルの良い、男の先生を指さす。



｢あの白頭の人ー？｣

紗代｢そう！ウチらのクラスになんないかなぁ｣

｢でも、体格は良いよね。あれは野球してたな｣

紗代｢はぁ…あんたはどこまで、残念なの…｣



紗代がため息をつくと、
先生達の紹介が始まった。


白頭の人が、立つと
周りの女子がざわめく。


なんだろう、
私の心臓も……おかしい。

なんで？ドキドキしてる。

今まで男の人にドキドキするとか
無かったのに。





紗代｢A………？｣




名前を呼ばれ、はっ、と我に返る。


紗代｢顔、赤いけど……まさか、恋しちゃった？｣

｢は？ないない！｣

紗代｢はは、だよねー。さすがに禁断の恋とか勇気でないわ｣



なんじゃそりゃ。
禁断の恋………？



『えっと、みんな初めまして！』

キーンというマイクの音と共に
元気に挨拶したのは、あの白頭の先生。

すると、体育館中に響く
女子の黄色い声。




『新任の、成宮鳴です！体育の教師で、2-1の副担任になりました』


成宮………鳴………。



｢めー……？｣



私は無意識に呟いていた。




めー？
何その呼び方、あの先生のこと？
私………あの人のこと、知ってんの…？



紗代｢ちょ、A？今度は顔真っ青だけど｣



頭が……チカチカする。

私、あの人を知ってる……。



でも見たことないよ。
最近、テレビか何かで見たかな…


ううん。もっと前から、知ってる。



紗代｢A！｣



視界が真っ白になって、
意識が遠のいて、


私は、気を失った。

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