その五、過去と嫉妬 ページ5
最初はなんてこと無かったんだ
セッターの先輩が僕を避けるようになり、そのうち他のレギュラー以外の先輩からも避けられるようになった。
でも、すぐにそれだけでは治まらなくなった。
サポーター、タオル、バレーノート、さらにはバレーシューズ…あらゆる私物が隠され、壊されていった。
でも、誰にも言えなかった
先生にも、両親にも、若利にさえも…
心配かけたくなかった、僕が我慢すればいつかは終わると、そう思っていた。
だから、2年まで僕はそれに耐え続けた。
ある日僕は、先輩に呼び出された。
呼び出したのは1人だったけど、その場には何人もの部員がいた。
「お前さ、いいかげん辞めろよ」
『え?』
「牛島のおかげでレギュラーになれたようなやつが、いつまでもバレー続けてんじゃねーよ」
言葉を失った
だって、それは僕も感じていたことだったから
でも、それを拭えるように、必死に練習してきた。強くなったなと、先生にも若利にも褒められて…でも、足りてなかったんだ
「お前さえいなければ、俺は今頃正セッターだ。ここにいるヤツらもお前のせいでレギュラーを逃した…」
理不尽だ
そう言いたかった、でも周りは僕に何かを言わせるつもりなんてないみたいだった
ここにいる人はみんな、強くなりたくて必死に頑張って白鳥沢に入ったんだ
だからよけいに僕みたいなのが嫌だったんだ
周りからは次々と罵声が浴びせられ、僕は戸惑うばかり
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作者名:鳥屋 | 作成日時:2019年10月18日 17時