【あんスタ】裏切られたのに、五奇人とうざっ隊が過保護なんです【裏切り】

♯6　悪夢 ページ8

「えっ……？」


みんなが困惑していますね
どちらの言い分が本当なのかわからないのだから当たり前でしょうか



消毒液と絆創膏を手に持っている私と、カッターナイフを手に持っている儷子ちゃん。
床に落ちている絆創膏は、使用済み


はたから見れば、やったのは儷子ちゃん
証言は私が正しいはず



ですが……




「なぜ、儷子お嬢様が自分の腕を切る必要があるのですか！！」

赤い髪の子はそう叫びました


そう来るのはわかっていましたよ
僕もそれ、気になりますからね！！むしろ僕が聞きたいぐらいです




どうやらこの赤い髪の子は、儷子ちゃんの味方のようですね


この子、たしかKnightsの…司くんでしたか
前プロデュースしましたが、まじめで礼儀正しい子だというイメージが強かったです
そんな子が騙されているのは…胸が痛みます


儷子ちゃんはなぜそんなことをするのでしょうか

感傷に浸っていると






桃李「はあ？Aがそんなことするわけないでしょっ！しかもほら！絆創膏が落ちてる。
どう考えても、これはAが麗子ちゃんに貼ってあげたものだよねっ！｣


人をやっとのことでかき分け、前に出たピンク色の髪をした天使…じゃなくて


桃李…！！
マイエンジェルあらわるっ……(泣)



｢桃李〜！｣

駆け寄り、ぎゅっと抱きつけば、顔を真っ赤にする桃李。
可愛いですね…天使！天使ですよう！！



感謝を込めて「ありがとう」と言うと、桃李は当たり前でしょ〜？と言ってくれました



「で、でも…」


あたりがざわつきはじめます
赤い髪の子が言ったことと、桃李の言ったことに対するみんなの困惑する声と、困った顔



誰が言っていることが本当なのかわからない…
そうですね…「人狼ゲーム」に似ています

人狼は村人になりすまし、村人は、人狼なのではないかと疑いをかけた、仲間の村人を処刑していく…
それも、容赦なく切り捨てて、です







…………



嫌です…僕…
こんなの。


誰も信じられなくなってしまう





……人間はなんて醜いものなんでしょうか







｢じゃ、私は用事があるから先行くね！
本当にありがと、桃李！」



そうして私は逃げました





渉からもらった仮面が割れてしまわないように、心の中で大事に庇いながら。

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