♯3 転校生 ページ5
「えっ……ひやひやさせるようなこと言わないでください
とりあえず教室に入りましょう!」
青ざめている零に対して、冗談っぽく笑います
一緒にいた薫くんを不安にさせたくなかったから
廊下と教室にはたくさんの生徒がいます
なので「私」のモードに切り替えると
「ごめん、薫くんまたあとで」
薫くんと手を振って別れ、零の肩を支えると、教室の扉を開け、席に着きました
「零」
心配しながら、零が好きなトマトジュースを差し出すと、零は一気にそれを飲み干しました。
のどが渇いていたのでしょうか、持ってきておいてよかった…
と、胸をなでおろす私と同時に
「……A、すまんのう」
ふう、と息をつく零
普段は互いにふざけあった会話をしたり、五奇人である渉や奏汰とわいわい話してばかりだったので、こんな深刻な空気が漂うのは久しぶりですね…
やはり大事な話のようです
零は重々しく口を開きました
「…我輩、悪夢を見たんじゃよ」
「悪夢…?」
零は眉間にしわを寄せます
よほど嫌なことだったんだんでしょうか。思い出すことに抵抗を覚えているようですね…
心配に思いながらも、零の言葉に耳を傾けます
「それは…」
零が何かを言いかけたときでした
「失礼します。2年A組あんずです」
「失礼しまーす♪森開儷子ですっ」
あんずちゃんと、もう一人の女の子が入ってきました
この子が噂の転校生…?
うーん、少しばかりタイミングが良くありませんね
ジーっと見つめていると、あんずちゃんが笑いかけてくれました
ああ女神…どうかわたしを嫌いにならないで…
「A先輩!少しこの子の案内をお願いできないでしょうか…?
午前中に片付けないといけない仕事があって」
可愛い可愛い私の後輩あんずちゃんの頼みです
もちろん!と普段なら返事をするところですが…
「っ……」
あからさまに零の様子がおかしいのです
冷や汗をかき、こぶしを握り締めている
どうしたの?と問いかけてみると、
「…いや、我輩の気のせいかもしれないんじゃ…」
首を振り、うなっている零は、僕にはとても苦しそうに見えて…
「もし何かあっても、私…いや、「僕」は大丈夫だから」
にこりと微笑みます
零に心配をかけたくないから…
立ち上がって、挨拶します
「「私」は3年B組、春風Aです。よろしくね」
これが本当の悪夢の始まりだったなんて、僕は聞かなかったことにしたかったです
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日和 - すごく続き気になります!書けそうでしたら書いてほしいです! (2020年5月28日 8時) (レス) id: 25d2393c1a (このIDを非表示/違反報告)
ミラ - 続きすごく気になります!更新頑張ってください! (2020年4月15日 1時) (レス) id: b8fc8df598 (このIDを非表示/違反報告)
カフェP - 夏目くんのことナツメグってwもしかして夏○友人帳見てますか?(他のアニメの名前出してすみません)作品の続き見れたら嬉しいです!心待ちにしておきます!! (2019年6月1日 21時) (レス) id: c217087361 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 (仮垢) - ぅえぁ!?続き書けそうでしたら書いてほしいです!この夢主ちゃん好きなので!! (2019年2月22日 20時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - 続きが気になる!零さんの、キース!キース!← (2018年12月24日 15時) (レス) id: 9cccb0eb3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも x他1人 | 作成日時:2018年11月27日 16時