17〜完〜 ページ17
一先ず、袖から煙草とライターを取り出す。
「....アンタが隣にいねぇから....
清々と煙が吸えらぁ......」
真っ青な空を仰ぎ、
唇を微かに震えさせながら、
無理矢理、口角を上げてみた。
しばらくして、
短くなった煙草の火を、携帯灰皿で消す。
そして俺は、恐る恐る、
Aからの手紙を開いた。
『『 十四郎さんへ
あなたに出会えて、幸せでした。
どんな形でもいい...また来世で、
十四郎さんに逢いたい。
もしまた会えたら、
あなたに、伝えたいことがあります。
聞いてくれますよね?
A 』』
ズラリと思い出話を語るわけでもなく、
別れの言葉を並べるでもない。
ましてやどのタイミングで、何故、
この手紙を書いたのかなんて、微塵も分からない。
あいつらしいと言えばあいつらしい。
そうさな....
俺の惚れた女は、そんな野暮なこたぁしねぇか。
「....なぁA、聞いてっか?」
いつの間にか頬を伝っていた涙を拭って、
俺は再び空を仰いだ。
「...生憎俺も、
アンタに言いたいことが一つだけあってな」
「...何も言わずに逝っちまったんだ
次会った時......
先に腹ぁ割って話すのは俺だぞ」
「......だからそれまで」
「...風邪、
引くんじゃねぇぞ...A」
俺の声が消えて言った空は、
相変わらず、真っ青だった。
END
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リヴ - ていさん» 私も銀魂の小説書いてます!ていさんほど上手くないですが、ぜひちらっと見ていただけたら嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - リヴさん» 勿体ない程のお褒めの言葉ありがとうございます(TT)完結まで暖かく見守ってくださると嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
リヴ - 語彙力が素晴らしいです!ていさんの作品色々読ませていただいたんですが、どれも面白くて…!尊敬してます!更新頑張ってください! (2021年1月5日 10時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てい | 作成日時:2020年12月20日 6時