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*土方SIDE*
〈じゃあ今日から一週間、この部屋で入院ね〉
俺は片腕で松葉杖をつきながら、
ババアの看護婦に、病室へと案内された。
「...うす」
俺が入ることになった病室には元々、
何年も、そこを一人で使っている患者がいるらしい。
タイミングが悪く、空きの病室が他に無いということで、
俺もその部屋へ入らせてもらうことに。
そもそも入院なんて、俺にゃ必要無ぇが....
〈Aさん〜、少しいいかしら?〉
看護婦と共に部屋に入り、
奥の窓際のベッドへ、カーテン越しに呼び掛ける。
『...はい』
すぐにカーテンが開けられ、一人の女が姿を見せた。
長い間、日光を浴びていないのであろう真っ白な肌、
体の至る所に繋がれた、複雑な医療器具。
「....」
俺は一先ず、その女にペコリと頭を下げる。
するとそいつも、俺の顔をじっと見つめながら会釈をした。
〈今日から一週間だけ、この部屋で入院する土方十四郎さん
生憎、他の病室がいっぱいでねぇ
悪いんだけどこの人、置かせてほしいんだよ〉
.....物か?俺は。
『..そうでしたか
私は全然構いませんよ』
Aと呼ばれた女は、柔らかく微笑みながらそう返した。
〈じゃあ、よろしく頼むわね
.....土方さんは、絶対安静、に!いいわね!〉
看護婦は、俺にだけ強い口調で、
絶対安静を言い残し、部屋から出て行く。
「..チっ」
俺は軽く舌打ちをし、
女から斜め向かい、入り口側のベッドに座った。
『....随分、見守られているんですね』
不意に話しかけられ、女の方を見ると、
カーテンを開けたまま、さっきと同じような、
柔らかい表情でこちらを見ている。
「..ハハっ....良いように言ってくれるぜ
......それより、一人で広々と使ってたところ、
急に野郎が、飛び入り入室しちまってすまねぇな」
俺は、そいつの方に向き直りながら言った。
『それは本当に、気になさらないでください
むしろ....._______
あ、いや....とにかく一週間、ゆっくりしてください』
女は途中、何か言いかけたが、
早口でそう告げると、カーテンを閉める。
「....あぁ」
俺も短く返事をし、ベッドに横になった。
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リヴ - ていさん» 私も銀魂の小説書いてます!ていさんほど上手くないですが、ぜひちらっと見ていただけたら嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - リヴさん» 勿体ない程のお褒めの言葉ありがとうございます(TT)完結まで暖かく見守ってくださると嬉しいです!! (2021年1月5日 11時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
リヴ - 語彙力が素晴らしいです!ていさんの作品色々読ませていただいたんですが、どれも面白くて…!尊敬してます!更新頑張ってください! (2021年1月5日 10時) (レス) id: 3a05cdac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てい | 作成日時:2020年12月20日 6時