【リボーン×うたプリ】僕はボスのために歌う2

79話 春歌 ページ35

春「そんなこと、ないです」



やっと出たその声は頼りなかったと思う
でも、伝えないと
これだけは伝えないと


先輩は自分のことを化け物だと思ったままだ



春「先輩は化け物なんかじゃありません



傷の治りが早い？
いいじゃないですか

傷の治りなんて早いに越したことはないですよ


化け物っていうのは
心が無い人のことを言うんです


でも、先輩はそんなことないですよね？


先輩は心の優しい人です



化け物が人のことを庇ったりしません

人のことを心配したりしません




ね？先輩は化け物なんかじゃないでしょう」



先輩を見ると涙を流していた


春「誰が何と言おうと、先輩は先輩です



私の尊敬する先輩で

たった14歳の小さな女の子です



もっと私たちを頼って、甘えてください」



そっと、先輩を抱きしめる


先輩は泣きながら、ありがとうと繰り返した



周りを見渡すと



社長



先生方



先輩たち



スターリッシュのみんな


優しい顔をしていた


ほら、誰一人あなたの事を化け物なんて言う人はいないんですよ






＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊




先輩が寝て、解散となったが、


先輩の部屋に一人残った



春「全く怖くなかった

と言ったら嘘になります」


寝ている先輩に語りかける


迷いなく敵を斬り伏せていく姿を見て一時は恐怖を覚えた



春「でも、綺麗だなって思ったんです」



ナイフを持って戦う先輩は


まるで舞っているようで


見惚れた


息も忘れるほどに



春「人が目の前で死んでるのにこんなこと思うのは可笑しいですよね」




本当、どうかしてる

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