悪魔に愛されるということ ページ7
「お前、俺様の話聞いてないだろ」
『うん』
「面白くないか?」
『いや、面白くもつまらなくもない』
「興味無いのか?これに」
少年は壺を指差した。
『興味無いというか、自己解決したってだけ』
「ほー、どんな答えに辿り着いたんだ?」
『壺の中の砂は灰だった...つまり、幽霊のうんこは灰ってことだな』
「ははは、これは幽霊のトイレじゃねぇよ」
『私の中ではそうなんだから、そうなんだよ』
自分で言ってて訳がわからんが、この癖は前の世界の自分と変わらないな。
「ははっ意味わかんなすぎ」
『私も自分で言ってて意味わからんな』
墓を見るのも、飽きたので何処か行ってみよう。
「あ、零だ!」「零ー!聞いてくれよ、俺のダチがさぁ...」「零様、私の話を後で聞いてくれやしませんか」「零さん、この間の話の続きを...」
墓場から出ようと足を運んだ時、私服の地元の人たちだろうか、集団で少年に押しかけてきた。
『......?』
少年は墓に腰かけて、幅広い年齢層の人達の愚痴?悩み?を聞かされていた。聞いていた。
少年に気づかないだろうが別れの合図の手を振ったら、気づいてくれて、手を振り返してくれた。
さて、何処に行こうか。儀式は終わったのだろうか。
母や兄のいる所に行くと
ポクポクと楽器?を鳴らしながらブツブツ何か言ってる着物のおじさんを筆頭に親戚は頭を少し下げてじっと座ってる。
こりゃ、つまらん。暇だな。
覗くのをやめて和室に戻ったものの、何も無いので縁側に座ってボーッとしていた。
何だか、眠くなってきたな...子供の体はすぐ眠くなる。
だらしないが、縁側にぶら下げた足を上げて横になった。
おじさんの何語か分からん言葉が眠気を誘う。
うとうとしていると、足音が近づいてきた。だが、その足音は子供の足音のような気がした。
「なっ...礼儀のなってない奴だな。子供か?」
お前も子供だろう。声が子供だ。私は何となく寝たふりをしていた。
「寝てる?どうしよう...何かかけてあげたほうが...?でも起こした方が...」
出来れば起こしてくれと思ったがこの子供が私を起こさず毛布を掛けたりしてもらったら申し訳無いので、自分で起きることにした。
「うわっ!?び、ビックリした...」
ぼうっと少年を眺めた。その年で眼鏡か。きついな。
『ごめん』
驚かして。
「い、いや。大丈夫だ...
それより貴様の親戚の葬儀は始まってるぞ。さっさと行かんか」
『行かなきゃダメか?』
「貴様の祖父の葬儀だぞ」
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作者名:どこぞの二次元オタク | 作成日時:2020年2月12日 9時