悪魔に愛されるということ ページ22
アイドル科の校舎に入り"噂の部室"へ足を運ぶ。
(確か、演劇部だったはず...だからここだな)
何かと噂が絶えない演劇部の部室前に立った。
実害は無いが良いこともないらしい。そしてかつての天才子供マジシャンがここの部室に篭っているだとか。
もし今もこもっているのだとしたら...という可能性にかけて部室をノックした。
「..........」
だが扉の先から応答がない。
今は別の場所にいるのかもしれないな。
そう判断し扉に背を向けた次の瞬間、
ガバッ!!!
『!?!?!?』
バタンっ!!!
「よ〜うこそ演劇部へ!!!!こんな時に新入部員さんが来るなんてamazing☆!!!」
視界が水色に包まれたかと思いきや仮面や衣装が沢山ある部屋に瞬間移動させられていたようだ。
そしてなんだこの煩い生徒は。その生徒は制服からハトが飛び出しトランプのカードが自我を持っているかのようにピラミッドを作り出した。
「おやおやぁ?これはこれは男装女子ではないですか!!何やら曰くつきらしいですね!!ワクワクしてまいりましたよ!!」
勝手にワクワクされた。
『入部申請をしにきたわけじゃ無いんだ。すまないな』
「ふふふ、見れば分かりますよ。で、何の御用で?」
生徒の長い水色の髪がうねうね動き、私の頬を撫でた。くすぐったくてその髪をつまんで捕まえる。
『ここの部室の変な噂が絶えかねないので、見にきた』
「変な噂とは?」
『お化けが出たとか巨大な爆発音が聞こえたとかラクダがいたとかその他諸々』
「うーん...見に覚えがありまくりですねぇ」
『実害さえ無ければ別に何したっていいが』
「これをどうぞ。お客様なので」
渡されたのは紅茶。淹れたてだろう。
でも淹れてるそぶりは...ああ、髪の毛が淹れたのか。
『ありがとう。髪の毛が動くなんて面白いな』
紅茶に少し口をつけると上品な香りが体内に流れ込む。
「ええ、私は日々樹渉なので。何でも出来ちゃいます」
そういうことなのだろうか。でもあまり気にしないことにした。
『はぁ...温かい』
熱い紅茶を半分近く飲むと体がポカポカしてくる。
「ところで貴方は変な噂を聞いて、という理由以外でここに来ました?」
『いや、その理由だけ...だ...?』
思わず疑問形になってしまったが致し方ない。だって生徒が典型的な催眠術をかけようとしているからだ。
紐にぶら下がる5円玉が目の前で揺れている。
「貴方はこれで眠くな〜る☆」
『......確かに眠くなってきた...な...』
目を閉じてしまった
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作者名:どこぞの二次元オタク | 作成日時:2020年2月12日 9時