君と俺を繋ぐ約束。【カゲプロ】

幸せな日々…5 ページ5

Aは俺を見て、笑っていった。

「ごめん…怒らせちゃってさ、心配かけたけど大丈夫だよ…」

どう見ても無理してる顔に見えた。
俺はAのベッドの近くに座った。

「全くだ…なら、約束しろっ…ずっと俺のそばにいるって…一緒にいるって！」

俺は怒鳴り散らしながら泣いた。
その涙はAの手の上にポタリと落ちた。

すると、Aは手を俺の頭の上に置いた。

「一緒にいるよ、僕がずっと一緒にいるからね？」

そう言うと、俺の瞳から零れ落ちる涙を手で拭った。
でも、俺の涙は止まらなかった。

そこに医者が入ってきた。
医者は申し訳なさそうな顔でいった。

〔Aさん、貴方の脳には腫瘍が…それでですね、生存格率は10%です〕

俺はその言葉に唖然とした。
癌は聞いたが、生存確率が10%だなんて。

だが、Aは「そうなんですか」と少し落ち込むと俺の方を向いた。

「キド、落ち込まないで？10%もあるんだ！可能性は０じゃないからさ！」

堂々と笑いながらいうが、手が微かに震えて目に涙が溜まってる。
やっぱりAも怖いんだ。

そんなAをみて、俺はみんなの前で恥ずかしいが抱きついた。

「ほら、抱え込むな！恋人だから全て分け合おう、な？」

そう言うと、ポロッと涙が落ちて「我慢してたんだけどな」と情けない声を出した。

そして俺をギュッと抱きしめると俺の肩の上で静かに泣いた。

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