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五月もいよいよ最後の日。
夕方からライブがある先輩達は既に出かけてしまって、
私は家に一人でいる。
こうしてみると、一人では持て余してしまう空間の中で
大きく息を吸って、吐く。
「…でも、もう仕方ないよね、」
自分に言い聞かせて、最後に腹を括った。
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安「みんなおつかれー」
村「おつかれ、」
大「いやぁ〜それにしても…」
安「うん…?」
大「…Aちゃんのことが気になりすぎて
全く集中できひんかったなぁ〜!!」
渋「うわ、お前全部言うた」
丸「俺もめちゃくちゃミスってもうたなぁ…」
横「穏やかな顔で "なぁ…" ちゃうねん」
錦「そう言う横山君もミスってましたけどね」
横「そらそやろ。」
村「全力で開き直るな」
大「もう、ぐっだぐだやった…」
渋「……やっぱ、あいつ、もう決めたんかな」
「「…」」
安「…一応、明日決定するって話やったからなぁ」
丸「数日前から妙に落ち着いてて、言動も淡々としてるし…」
横「…自分の中で、もう腹括ったんかな、」
村「やとしたら…」
大「…嫌や。」
村「…大倉、」
大「俺嫌や、Aちゃんいなくなんの」
丸「…そんなん……俺らも一緒やて…」
横「それでも、
…Aが決めたことなら仕方ないやろ」
大「……分かってるけど、」
渋「…明日、やんな」
村「ん…?」
渋「明日、正式に決定するまでは、
まだ…俺らのもん、やんな?」
丸「え、それってどういう…」
渋「…最後にやるしかないぞ」
錦「え…?」
渋「亮、お前やって、このままってわけにはいかんやろ」
錦「…そう、やけど…もうAは、」
安「…そうや…せめて、笑顔で終わろう、」
錦「……うん、そやな、」
村「まぁあれやな、駄目やとしても最後くらい…ってやつか?」
横「…まぁ、最後でも思い出になれれば」
丸「でも…望みは捨てずにいてもええかな、」
大「もう変わらんかもしれんけど、あわよくば…やな」
渋「おし。…Aの覚悟がどんだけのもんか知らんけど、
俺らは俺らで、悪あがきでも何でもしたるぞ」
「「…おー!!」」
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「…もうそろそろ、終わった頃かな…」
時計を見ながら、考える。
六月になるまで、あと…一日も無い。
だけど、もう揺らぐことは無かった。
これで…終わり。
…明日、きちんと私から話すんだ。
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作者名:黒葡萄 | 作成日時:2022年5月5日 8時