相性【桃】 (ページ4)

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epi.4 Daisuke S ページ4

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佐｢だからさ … 今日は無理って言ったよね ? ｣

メンバー全員での雑誌の撮影の日
控室で最近知り合った女の子と電話

今日会いたい
そんなこと言われても仕事終わりにわざわざ会いに行くような関係じゃないし

所謂 … オトナの関係

佐｢ … じゃ､そういうことだから｣

一方的に通話を切って｢めんどくせぇな｣なんて呟けばメンバーが反応してくる

深｢佐久間～､程々に … ね｣

俺だって普通に恋して付き合って愛して愛されたい

でも恋なんてあの子以外考えられなくて
一度だけデビュー発表のコンサートの時に見掛けた

A
俺の幼なじみでずっと好きな人

気付いてないフリをしながら
高鳴る心臓を必死に抑えて何度も彼女の目の前を通った

フワッと優しく笑う表情は変わってなくて … でも最後に会った時から更に可愛くなってて

誰かがAをそんなに可愛くしたのかなって胸がきゅうぅと苦しくなったのを覚えてる

女の子と遊ぶことが増えて家に帰れなかったから今日は普通の社会人と同じような時間に帰ってみるか

マンションに着いてエントランスを通り抜けるとエレベーターの前に1人の女性が …

うわぁ … バレたら最悪だよな

ﾁﾝというエレベーターの音が響いて先に乗り込む女性

｢え … ｣

なんて声が聞こえてきて

うわ … もしかしてバレた ?
住人にバレたら最悪だ

イラつきながらそんな事を考えていたら
｢だる … ｣って口から出てた

可愛い子だったら口止めでもするか

少しだけ顔をあげて目の前にいる女性を見たら

会いたくて堪らなかった幼なじみだった

こんな少女漫画みたいな再会が本当にあるんだな

Aも驚いたようなでもどこか悲しそうな顔で俺を見ている

佐｢ … A ? ｣

俺が声をかけると

｢ …… 久しぶり｡大ちゃん｣

昔のように大ちゃんって呼んでくれるのが嬉しかった

佐｢いつからこのマンションに … ? ｣

｢半年前に引越してきたよ｣

佐｢半年前って … だいぶ経ってんのに今日初めて会ったよね (笑) ｣

｢そう､だね｣

話したい事は沢山あるのにあっという間にAの階に着いちゃって｢じゃあ｣って言って俺に背中を向けて歩き出した

俺はAの背中をただただ見ている事しか出来なかった