相性【桃】 (ページ3)

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epi.3 ページ3

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「よし … 仕事仕事」

いつも通り朝6時に起きて着替えて化粧して朝ごはん食べて何気ない1日が始まる

大学を卒業してWeb制作会社に入社して早5年
それなりの地位に付かせて貰っている私は半年前に少し良いマンションに引っ越してきた

『鳴瀬。この企画書読んでみろ』

｢ …こんな大手の取引先企画書をなぜ私に ? ｣

『先方が鳴瀬に担当ディレクターになって欲しいそうだ』

｢えっ!私がですか ? … 是非やらせて下さい !｣

こんな大きな仕事を任せられるなんて … これから忙しくなりそう

部長から企画書を受け取って自分のデスクに戻ると後輩の凛ちゃんが話し掛けてきた

凛｢ A先輩 ! やりましたね !｣

｢凛ちゃんありがとう。これから忙しくなるからｻﾎﾟｰﾄお願い出来るかな ? ｣

凛｢勿論です ! じゃあ今度先輩の奢りでご飯行きましょ｣

｢有難く奢らせて頂きます (笑) ｣

凛ちゃんは私が教育係として初めて担当した後輩で良くご飯に行ったりする仲

フワフワした感じが可愛いんだよなぁ

私にはない魅力を持ってて 1人前のディレクターに育てたいって思ってる

定時のチャイムが鳴ると皆｢お疲れ様でしたー｣ってカードを切って帰って行く

私も今日は帰って企画について考えよう

明日から忙しくなるし
今日は帰ってゆっくり自分の時間を過ごそうかな …

夕飯の買い出しをしてマンションのエントランスでエレベーターを待つ

ここのエレベーター長いんだよね …

そんなことを思っているとエントランスから誰かが入ってきて私の少し後ろに立つ

あー … 気まずい
エレベーターに知らない人と二人きりって結構気まずいんだよね

ﾁﾝという音と共にエレベーターに乗り込むと後から乗ってきた人をちらっと盗み見た
見覚えのあるピンクの髪深く被ったキャップ

｢え … ｣

と小さく漏れた声は相手にも聞こえた様で｢だる … ｣なんて言いながら少し顔をあげた

｢ … A ? ｣

ずっとずっと会いたかった大ちゃんが目の前にいた

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