今夜君が欲しい【前編】

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唇を合わせるだけの口付けをし、離れる直前で下唇を啄ばみ挟んだ。



乾いたリップ音が鳴る。



これから起こる行為を彷彿させるように、
厭らしく音を立て焦らす。



ガヤは焦らされるのが好きだった。


啄むキスだけを与えていっても、息が上がっていくガヤが愛しい。



折り曲げた膝の先に触れるガヤの熱い昂りが俺を興奮させる。



「…たまぁ、こんなんじゃ...足りない」



飽きるほど何度も身体を貪り合った事があるのに、吐息が触れ合うだけで全身が歓ぶ。


これからの事を身体はもう覚えていて、熱がそうさせるのだろう。
ガヤのナカは熱く絡んで締め付け、気持ち善すぎることを。



「ガヤ、ホントに可愛い……」
「っ……んぁ……は」



まだ焦らしたくて、大きくなってるソコには触れず、恥ずかしそうに俯いたガヤの顎に手を添えて軽く引くと再びこっちに顔を向けさせる。


半開きの唇から舌を差込み、舌先で歯列をなぞり熱い舌を絡め取り、唾液を交換し合う。



「…たまっ、...あっ、」



愛しい。
仕事の時とは別人のように変わるガヤが。
快感に支配されていくガヤが。



そのまま頬から顎のライン、首元へと唇を流していく。


そんな滑る俺の唇と舌先に
くすぐったいと、小声で訴えながら、ガヤの焼けた柔肌がゾクリと粟立ったのが分かった。



そのまま反転させ、背後からガヤの全てを時間をかけて愛した。




＊



翌朝、ガヤは昨日の体勢がキツかったらしく腰を擦りながら、朝食を作ってくれていた。



「…流石に毎日はキツい。俺がイイって言うまでエッ チは禁止だからなっ！」



顔を見るなり、開口一番でそうぶうぶう訴えてきた。


よく言うよ。煽ったのはそっちの方で、離さなかったのもそっちなのに。
あれから何度も求めてきて…抜かずの3連発はガヤのせいだった。


仕事で疲れてる程、性 欲は増すし、歯止めが効かなくなるのは、お互い様だろ。


なーんて、言ったら…
ガヤは拗ねるから、大人しく背後から抱きしめ、
ガヤの小さな形のいい耳に唇を寄せた。



「ガヤは我慢できるのかな…？」



小声で吐息を吹きかければガヤは分かりやすく背筋が揺れた。それだけで感じる身体に開発したのはこの俺だった。



「出来るし、別に」



今日も君は可愛い
俺の好きな和食料理を作ってくれてる。
味噌汁をかき混ぜるその手を上からぎゅっと握った。



「今日も愛してるよ」
「……早く準備しろっ」


こんな朝のおかげで今日も仕事を頑張れる。

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