【あんスタ】大きなサーカスの玉乗りピエロ (ページ6)

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52話　お菓子作りページ6

「おはよう…。」

少しぐったりとしながら、私は教室に足を運んだ。

教室には、みかちゃん、嵐ちゃん、晃牙、凛月が居た。

「あらっ、Aちゃんっ。おはよ～！」
「おはよーさん、A姉ぇ！」

二人が良い笑顔で挨拶してくれる。

私が席に着くと、後ろの晃牙はぐったりと机に突っ伏している。

「…春なのによぅ、あちいんだよ」

今は5月中旬だけどね。

「確かに、あったかいね。もうニットいらないかな」

私は準備を済ませて、廊下に出ようと立った。すると、凛月が机の上に横になり、スマホをいじりながら言った。

「……来月、第５回お菓子作りコンテストあるって。」

「「「「え？」」」」

楽しそうに喋っていた二人も、机に突っ伏していた晃牙も、驚きの表情で凛月を見た。

「参加は自由で、クラスごとに出てもいいし、部活やユニットごとに出てもいい。

ケーキ・クッキー・揚げ物・焼き物なんでもいい。
優勝した1位のお菓子は、食堂のセットメニューに毎回ついてくることになる。

テーマは「ちょこれーと」だからチョコを使ったお菓子……ケーキを作れ、だって。」

凛月はスラスラと夢ノ咲学院ホームページに書かれていると思われる文章を読む。

「なんだ。じゃあ俺様は参加しねーからパス。」

晃牙はふてくされて窓側を見る。

「尚、以前とは違い、今回はクラス・部活動・ユニット、「４つまで」のグループで組んでもよし。」

「…どのみちパス」

「そーいうこと言うなら無理やり食べさせてやるー」

うりゃうりゃと、私は晃牙の頬を掴む。

「……チッ、わかった、わかったから。軽音部で一緒に出てやるよ。ただし、演劇部と組まないと出ないからな」

「俺はknightと紅茶部で出ようかな～♪」
「んー…おれもお師さんも、味は美味しいんやけど、料理はそんなに上手ないしな～……無理やわ」

「アタシも。家事は一切やらないから、お菓子何て一切、むしろ卵焼きを作ることさえできないわ。だから凛月ちゃん、よろしくね♪」

「んもう。ちょっとは手伝ってよ？」
「もちろんよ♪食べさせてもらうからにはね♪」

ここのところ、辛いことばかりだったから、こういう楽しい行事をやることになると、案外嬉しいかも。

「…私、呼びかけてくる。晃牙、手伝ってよ」
「おう」

私と晃牙は、軽音部の部員を探しに、私は演劇部の部員を探しに行った。

…といっても、友也くんは誘うのマズいよね。渉と北斗だけにしておこ。