長男の自覚3 ページ5
.
十四松曰くデートの当日。
待ち合わせ場所に行けば既にAがそこに居た。
ワンピースに、なんだっけあれ、アンクルブーツ?
だったかな忘れたけど、なんかそんな短いブーツを履いていた。
ていうかさ、あれだよね、普段とイメージ違うっつーかさ、服気合入ってない?
髪とか巻いてるし。良く見たら化粧もしてるし。
やっぱりデートだと思ってんのかな。何だろう、悪い気はしねえよなやっぱり。
俺のためにあの格好してきたのかと思うとこう、なんつーか、クるものがあるよね。
そんな事を思いながら暫く見つめていると、Aと目が合った。
あ、と声を漏らすと小走りでこちらに向かってくる。
うん。やっぱり悪くない。
俺と出掛けるためにお洒落して、俺を待つためにあそこに居て、
そんで今は俺の元に来るために走ってこちらへやってくる。
いいよね、なんか優越感っていうか────
「おはようおそ松私さ当日になった今でも状況がよく分かってないんだけど今ちゃんと説明してくれないあの電話じゃ分かんないんだけど学校でもその話しようとすると避けられるしまじ怒ってるからね言いたい事があるなら五文字以内で述べよ」
「……すいません」
…………ノンブレスだった。
あっはいそうっすよね、優越感もクソもないですよねすいませんでした。
怒るAを宥めて、もう一度今日のことを説明しながら俺達は電車に乗った。
「……うん、なんつーかほんと、ごめんな」
「そんな笑いながら言われてもなんだよなあ……まあ私も水族館行きたかったし良いけどね」
俺が吊り革に手を掛けるのとほぼ同時に、Aにそう言われた。
良かった、どうやらお許しを頂けたようだ。
はあ、と溜息をつきながらAも吊り革に手を掛けた、……のだが、
「……お前無理すんなよ」
「…………なにが」
いや気付いてるよね。
吊り革掴んでる方の腕伸びきってるもんね、プルプルしてるよね。どこで強がってんだよ。
「……いや、はっきり言うけどさ、身長足りてないよね」
「は?ちゃんと手届いてるし、」
「ギリギリじゃねえか危ないっつってんの」
「じゃあどうしろと、」
途中まで言いかけた言葉を遮る様に、俺はこいつの例の吊り革を掴んでいる方の腕を掴んだ。
.
220人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「おそ松さん」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももち@ - サクラさん» 有難う御座います…!進学してから中々更新できる機会がなかったのですが漸く更新出来ました…!これからまた更新させて頂こうと思います、よろしくお願いします! (2018年5月5日 19時) (レス) id: 2acfca4f19 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみに待ってますので戻って来てください! (2018年4月24日 23時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
ももち@ - レミリアさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません;;たった今更新させて頂きました!お褒めの言葉も有難う御座います、これからも更新頑張らせて頂きますね! (2018年2月1日 23時) (レス) id: dc32f552dc (このIDを非表示/違反報告)
ももち@ - ダメ天使さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません;;そう言ってもらえて嬉しいです!たった今更新させて頂きました!これからもダメ天使さんはじめ読者の皆様に喜んで頂けるよう頑張りますね! (2018年2月1日 23時) (レス) id: dc32f552dc (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - このお話とても面白いですね!更新待ってます! (2018年1月18日 22時) (レス) id: 8e9961abf9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ももち | 作者ホームページ:ありません(´・ω・`)ショボーン
作成日時:2016年3月28日 14時