気づいた時には遅かったりする ページ6
ふわふわした空間が私を包む。これは、きっと夢の中だ。視界には薄く靄がかかっているが、どうやら舞台は武装探偵社。夢の中でさえ、出てくるとはね……。
「ねぇ、前から思ってだけど太宰と喧嘩してるでしょ」
私のデスクに腰掛けて乱歩さんが問いかけてくる。この、この光景は見覚えがある。そう、私が死ぬ4日前の……。
＿＿＿＿不味い、この先は見たくないっ‼
視線を逸らそうにも誰かに頭を押さえられたみたいに動かない。嫌でも見てしまう、見えてしまう。
第三者として見ている�犹筬瓩鮹屬い董¬瓦涼罎砲い觧笋枠�を顰めて答える。
「そ、そんなわけないですよ。私と治は仲が良いですから」
遠くで会話が聞こえたのか、治がイヤそうな顔をしている。
＿＿＿＿変な事言わなければ良かったのに。
後悔してもなにもかも遅いけれど。過去はやり直せないし、失った物は戻ってこない。そんな当たり前の事に気付いていなかった私だから、治にあんな事を言ってしまったのかもしれない。
気付いた時には、遅いのだ。
「本当に？」
「う、煩いですねっ‼なんですか、超推理ですか？人の事を勝手に詮索しないでくださいよ、うざいですそういうの。迷惑です。心配？気まぐれ？お遊び？どれでもイヤですよ。
乱歩さんなんて、嫌い‼」
治に嫌われて情緒不安定だったから。普段だったらこんな事を言わないし、乱歩さんのことを嫌いとなんて思っていない。
ただ、探られた内容がその時の私の心を乱した。
「……うん、ごめん…」
「あ……」
その時に見た乱歩さんの顔は忘れられない。泣きそうな、怒っているような顔。
＿＿＿＿夢の癖に再現が過ぎるでしょ。
見たくない。その思いに反して夢は映画みたいに進む。エンドロールはもうすぐだ。
周りの社員は首を傾げてこちらを見る。下を向く乱歩さんと目を揺らして戸惑う私。
瞬間、限界を超えた私は駆け出した。探偵社から出る為。この時の私は胸につかえる苦しみのはけ口を探していた。探して探して探した先が、3日後の自 殺。
エンドロールが唐突に始まる。何故乱歩さんがその時、その話を持ち出したのかは今でも知らない。だけど確かなのはその日以来私は探偵社に行かなくなり、治との関係も悪化したということ。
夢が終わりを迎えている。悪夢から覚ました先は何なのか。実は青年とあったところから夢で、死んでいた。なんて事実はあるだろうか。
僅かな期待と夢の傷を残し、私はゆっくりと瞼を開けた。
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シモナ(プロフ) - 太宰が好きさん» ありがとうございます！これからもこの作品と作者をよろしくお願いします！ (2017年1月28日 11時) (
レス) id: 9daf4d1881 (このIDを非表示/違反報告)
シモナ(プロフ) - 蝉さん» ありがとうございます！更新、頑張ります！ (2017年1月28日 11時) (レス) id: 9daf4d1881 (このIDを非表示/違反報告)
太宰が好き(プロフ) - あぁ､､､私がはまるタイプだぁ､､､お気に入り作者いれます！ (2017年1月28日 2時) (レス) id: 9272b634b0 (このIDを非表示/違反報告)
蝉 - 素敵です！！！更新楽しみにしてます！！！ (2017年1月27日 20時) (レス) id: ef91e4f100 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シモナ | 作成日時：2017年1月27日 18時
