私は主人の命令に従うだけ…ですから、私を恨まないでくださいね【黒バス】【悪男主】

幕間 ページ23

これは蛇足の物語かもしれない。その場にあまり参加をしなかった俺の語りなんて嘘かもしれないからだ。
というかたぶん嘘だ。そういえばキミ達は、物語の語り手は本当に事実を言っているのか疑ったことはあるかい？


俺はある。ノンフィクションなんて嘘だ。大嘘だ。記憶なんて変わるものだ。
改竄されてしまうのだから。いや、改竄してしまうのだからが正しい。


都合よく変わる。つまり、Ａという人物とＢという人物がいたとして２人が見る世界は違うわけだ。全く同じ記憶が残っているのは普通あり得ない。
いやいや、学校のテストの暗記物のやつはまた話が違うだろ。
聖徳太子っていう単語の記憶が同じじゃなかったら、なんだよ、テスト壊滅的になるぞ？
一人以外全員違ったら先生も間違っていて…んん。


ややこしい問題は放っておこう。つーか、今語りたいの全然そこじゃねーし…。
話を戻そう。脱線しまくるのは俺の悪すぎる癖だ。
反省を全くしないところとかもな。また話がずれている…はあ。


とにかく。これは俺の視点から見た物語なんだ。
偽物かもしれない。偽物なんだろうか。紛い物でもいい。それじゃあ…ひとつ、この物語に名前をつけようか。


〈蛇足物かたり〉。
騙りと語り。二つがせめぎ合って紡がれていく物語。
それじゃあ、物語を始めよう。

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