9話 心の底から ページ10
A視点
三つの通路のうち、まだ行っていない通路に入る。
そこには、「GAME」と書かれた看板と、すぐ隣に廊下、赤い自動販売機、その奥に喫煙所があった。BARの前の通路と比較的似たような配置だ。
ソウ「どうやらタバコの自動販売機みたいだ。奥にあるのは喫煙所…かな。
もちろん未成年は買っちゃダメだよ。
サラさんとAくんを不良にするわけにはいかないからね。」
A「流石に吸いませんって…身体に悪そうですし。」
つか、不良ってタバコ吸うの?今どきあんまりいなくない?タバコ吸う人。まぁいいや。
サラが取り出し口に手を突っ込むと、何かが出てきた。
ソウ「高級感があるね。」
A「葉巻とか初めて見たー。」
リッチだねー。リッチがどういう意味かは知らんけど。
サラ「奥へ行ってみましょう。」
ソウ「ここは…遊技場…?にしては…ずいぶん寂しげだね。」
A「えー、なにここー。あ、ダーツ台あるじゃん!僕ダーツとかやったことない!」
そういえば、食堂でダーツ見つけたじゃん、俺。
んー、でもなんか下から風吹いてるっぽいんだよなー。これ、届かなくない?無理くない?そういう奴なん?ダーツって。そんな鬼仕様なの?クソゲーじゃねえか、萎えた。
サラ「何か仕掛けがありそうですね。」
ソウ「サラさんの洞察力は頼りになるなぁ。」
俺の発言ガン無視じゃん。なに、俺嫌われてる?さっきのギャグがつまんなかったから?ごめんて…
ソウ「殺風景だね…こんな所で遊んでも寂しいだけだよ。」
A「そう?楽しそうじゃん!」
ソウ「あはは…Aくんはたくましいね…」
うーん…うーん…褒められてる、よね?たくましいは悪口ではないもんね!うん!
俺がそんなどうでもいいことを考えている間にも、サラとソウくんは真面目に探索をしていた。
ソウ「うわ…とても深いね。風が吹いてるみたいだけど…」
A「足滑らして落ちないようにね、サラ。」
サラ「なんで私に言うんだ…」
A「いやなんかドジっぽいじゃん。」
サラ「そんなことない…はず。」
A「あはは、自信ないのかよ。」
サラ「やっと笑ったな、A。」
…え?なに、どゆこと?ずっと俺笑ってましたけど…?
サラ「なんとなく、今までの笑顔は心の底から笑ってないように見えたんだ。」
A「…そ、っか。ありがと、サラ。心配かけてごめん。」
そういうと、サラは優しく微笑んだ。
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もみじ(プロフ) - コメントありがとうございます!最初に親友殺したのをこれでもかってくらいに後悔してます(´・ω・`) (2021年10月6日 22時) (レス) @page1 id: 3db76492db (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと - 綾瀬くん…!幸せになって…! (2021年10月6日 22時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もみじ | 作成日時:2021年9月5日 22時