【ヤンキーパロ】BOY FRIEND 【中原中也】

BOY─11 ページ12

今日も帰りが遅くなり、お母さんに“また塾サボったでしょ”と言われてしまった。

下手に反抗すると、お母さんは直ぐ機嫌が悪くなってしまい、お姉ちゃんに迷惑が掛かってしまう。

それが嫌だから、大人しく話を聞きながらも右から左に流すのだが、矢っ張り、お母さんはお母さんで。

｢何で塾サボっているのかは知らないけれど、A、貴方東大に行きたくないの？｣

ぶっちゃけ言えば、東大なんて行きたくないし、目指してもない。

私は、お姉ちゃんみたいな普通レベルの大学に行って、就職して……が理想的なんだから。

お母さんの嫌味を聞く度、私は“早くこの家を出たい”と“高校生活ぐらい、自由にさせて欲しい”の二つの想いが強く頭に浮かんだ。

｢ねぇ、A聞いてるの？お母さんの話を……｣

『聞いてるよ、うっさいな。私、東大なんて行く気ないから。』

初めて、お母さんに強く反抗したかもしれない。

私の言葉に驚いて見開く目。そして、震えている唇。

その後、お母さんは黙ったままで、夜が明けるまで私は一切口を聞かなかった。

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