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禁煙席に案内され、椅子に腰掛けると、俺は真っ先にメニュー表を取り出した。
メニュー表を開けると、俺のちょっとした記憶が微かに蘇り、何処か懐かしい気がしてきた。
水をテーブルまで持ってきてくれた店員が、「お決まりになられましたか?」と聞いてきたので、俺は「はい」と答え、注文を言い始めた。
今日は珈琲の気分では無かったのだが、指が勝手に……いや、気付けいたら指が珈琲の所を指差していたのだ。
「珈琲をお一つでよろしかったですか?」
「はい。」
「かしこまりました、出来上がりまで少々お待ち下さいませ」
店員は頭を下げ、俺の席から離れていった。
少しだけ、思い出した気がする。
彼女と昔、このカフェに来たことを。
そして向かい合わせになって、変にドキドキしながら注文をした品が来るのを待っていたことを───。
窓の外を眺めながら、ほんの少しだけ取り戻した彼女との思い出を、俺は瞳を閉じながら蘇らせていた。
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もえ(プロフ) - きのこさん» きのこさん、はじめまして!4年前の作品を見つけて下さりありがとうございます☺️そう言っていただけて嬉しいです!生まれ変わって、中也と出会えますようにお祈りしていますね😉 (2月17日 6時) (レス) id: ead2063f7d (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - かなり期間が空いてますが初コメ失礼します!! もぉ、感動過ぎます、、、早く生まれ変わります笑 お疲れ様でした!! (2月15日 23時) (レス) @page19 id: 341e3469a0 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - いえいえ、こんな素敵なお話を読ませて頂き、私は幸せです!!はい、此れからも応援してます! (2019年5月3日 8時) (レス) id: c945dd784b (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 麗華三日月さん» そういって貰えて嬉しいです。+゚(゚´Д`゚)゚+。新作も無理せずに頑張ります!最後まで閲覧ありがとうございました! (2019年5月2日 22時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - めっちゃ、感動しました〜!!もう、途中からずっと大号泣です!中也の為に…何て素敵なお話でしょうか!本当に、もう、言葉が出てきません。読んだ後、もう一度読み直して又泣きました…尊敬してます!新作もどうかご無理なさらず〜。応援してます! (2019年5月2日 22時) (レス) id: 6282970e91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年3月31日 22時