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デクレッシェンドでも可 ページ11

そうして今日も今日とて変わらずドリンクとフードを綺麗に食べ終えると、メニュー表を開きデザート選びに入っていた。

「なにか新作は作らないのかな?」

「特にアイデアが浮かばないので」

他の客もいないし、明日の仕込みをしながら彼と会話するのもいつものスタイルだ。

基本的に聞き手で質問されれば答えるというだけだけど…

………たぶん、私もだいぶ絆されていたのだろう。

いつもならここで一つの話題が終了なのだけど、毎回やたらと真剣な表情でデザートを熟考する甘いもの好きらしい彼にふと、言葉がこぼれ落ちた。


「……リクエストがあれば、」

「えっ」

初めてこちらから話しかけられて驚いたのか、パッと顔を上げてぱちくり瑠璃の瞳を瞬かせる。

その反応になんだがきまりが悪くなって口籠ってしまったけれど、普段の少しつり目がちな目を丸くしたまま言葉の続きを待つ様子に改めて言葉にした。

「なにかリクエストがあれば、答えられる範囲で答えますよ。常連さんですし……大抵のものは作れると自負してま、すの、で……」

デクレシェンド。
語尾はほとんど消えていたと思う。

仕方ない。
ちらりと見た目の前の彼の反応があまりに予想外過ぎたのだ。思わず仕込みの手も止めてしまった。

「あー、うん。ありがとう……」

「え、あ、はい、どういたしまして……?あの、顔」

「…………………くそっ」

山姥切長義は私の指摘に小さく悪態を吐き、メニュー表をかぶってカウンターテーブルに突っ伏した。

いつもの行儀の良い彼からは想像できなかった姿だ。

隠されて見えなくなった彼の顔は、真っ赤だった。

え、な、なんで??ちょっっとついていけなくて私が混乱の渦に放り込まれるのだけど。

メニュー表の下からはまだアーだとかウーだとか意味をなさない唸り声が微かに聞こえる。

これ声かけていいやつ?

従業員たちに視線で助けを求めるも、どうやら一連の流れを聞いていなかったようで不思議そうな目を向けられた。
ごめんね私もよく分かってない。


「……大丈夫?」

「ちょっと、こちらを見ないでくれないか」

ゆるゆると顔を隠したままとりあえずカウンターからは顔を上げた彼にそっと冷水を絞ったお手拭きを渡しておき、言われた通りに視線を外して明日分のソースを煮込んだ。

地元発祥ってなんだか誇らしい→←特技を打ち破られるとへこむ



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翡翠琥珀@カリナと咲(プロフ) - ァ"ァ"ァ"好きぃ... (2022年3月31日 15時) (レス) @page42 id: cceed3ce75 (このIDを非表示/違反報告)
mokohu(プロフ) - 返事がない只の屍のようだ。さん» ちょぎくんの布教が出来て嬉しいです!沼へようこそ。 (2021年3月5日 16時) (レス) id: 2e4fc5a96b (このIDを非表示/違反報告)
mokohu(プロフ) - sesiroさん» ありがとうございます。成り鶴もよろしくお願いします (2021年3月5日 16時) (レス) id: 2e4fc5a96b (このIDを非表示/違反報告)
mokohu(プロフ) - まるさん» ありがとうございます (2021年3月5日 16時) (レス) id: 2e4fc5a96b (このIDを非表示/違反報告)
返事がない只の屍のようだ。 - はじめまして!そして完結おめでとうございます!!大好きです!!!終わってしまい寂しいですがちょぎ君、思い出して貰えて良かったね゙ぇ〜!(T△T)ズビィ この小説を切っ掛けでちょぎ君にハマりました!ありがとうございます!!(謎)これからも頑張って下さい! (2021年3月5日 12時) (レス) id: 2157a47614 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mokohu | 作者ホームページ:http://nanos.jp/atlant2d/  
作成日時:2020年12月5日 14時

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