＊ ページ24
「引き剥がして」
「貴女の皮膚が剥げるのが先ですよ」
「猟犬でしょ、どうにかしろ」
「私達も命が惜しいので」
「なんじゃ！条野なにを見ておる！！」
「いえなにも、どうぞ満足するまでご堪能ください」
「ねぇ、この人すごく力強い、首の骨折られそう」
「貴女が抵抗さえしなければ大丈夫ですよきっと」
「きっと？きっとってなに」
��子はAに肩車をされたまま、やけにご機嫌になっていた。
どうやら先程の行動(子どもだから無条件に守ってしまう行動)により��子はAが気に入ったらしい。
だがAは猟犬全般が苦手であり、なんとか首にくっつく��子を引き剥がしたいが、
狂犬とすら云われる��子を引き剥がせる猛者はここにはいなかった。
「魔女の娘！名前はなんだ！！」
「…山田花子です」
「嘘おっしゃい」
「条野！この娘の名前は！」
「小泉Aです」
「A！今度はおんぶじゃ！」
立原は遠くからその光景を見て心底同情した。
��子に気に入られるなんて、珍しいことだ。
だが気に入られたAの表情は死んでいる。
主に目が、濁り切っている。
「…全員ここに置き去りにしようかな」
その言葉を拾った条野が無言でAの腕を掴んだ。
立原も無言で片方の手を掴む。
なんだか犬を見捨てるようで心が痛かった。
「あ…見えてきた」
��子をおんぶしながら歩いた先に見える、本殿のような建物。
鐵腸がボソリと「広い…」と呟いた。
「ここに入る前に一つ」
赤い唇に指を当て、Aは囁いた。
「この建物を抜けて赤い鳥居をくぐるまで、絶対に声をあげないこと。
断っておくけど、声をあげたらその瞬間連れて行かれると思った方がいい」
立原の顔が青ざめ、福地ですらも大人しくなった。
ここから先は本当に危険な領域。
なにが起こるか判らない。
「��子…さん、貴女はここからは私と手を繋いで欲しい」
「何故じゃ？」
「…何かあったときのための保険」
Aはそう云うと、かつての敵であったはずの��子に手を差し出した。
白く細い手を見つめ、��子はそっと握り返す。
「うむ、構わんぞ」
やはりこの娘は根が優しいようだ。
嫌いじゃない、��子はAを見つめ、クスクスと笑った。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
