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同じ性格の母娘だったとしたら [misa様リクエスト] ページ45

Aは母親である雪に関する記憶が無いに等しい。
娘が生まれた日に母が死んだ故に、Aの親の記憶は父だけだ。






「だから、どんな人だったのかとたまに思うんです」







社長である福沢は、その話を聞いて深く息を吐いた。
雪とAは容姿だけなら驚くほど似ている。
だが、性格は全く違う。







『母の記憶が無いのを気にしているのか』








福沢はふと、雪のことを思い出す。
美しく、可憐な笑みを浮かべている人だった。







『福沢さん、見てくださいこの縛り方、解けないし見ていて面白いでしょう?』







『あぁ、この椅子ですか?歯向かってきた異能者ですよ座り心地あまり良く無いです』








『このヒール、尖ってますよね、踏まれると痛いらしいですよ』








…思い出す記憶を間違えたようだ。
雪の名誉の為にもこの記憶は墓場まで持って行かなくては。







『福沢さん、恋愛と戦闘に必要なものって知ってます?』







『逃げ場を無くして追い詰めることです』








『徹底的に、相手が堕ちるまで』







『ちなみに恋愛の場合、外堀から埋めて弱みを握ってしまえばイケます』







『福沢さんもやってみてください』








また思い出す記憶を間違えた。
雪はどうも性格が歪んでいるらしい。
福沢は丁寧に、彼女の名誉を守れる記憶を取り出す。







「…あの人は常に笑っていたが、本当に楽しいことがあると子どものように笑う人だった」







その場合、大抵周りが被害を被っているが。
屈託無く笑う姿は数回しか見たことがないが、子どものようだった。







「そうですか…少し、気になってしまって」








「…どうかしたのか?」








「私も母のような人だったらどうなのかなって…」








「それはやめておいてくれ」








福沢は全力で止めた。
あの性格のAだったとしたら、社長である福沢は胃に穴が開いていただろう。







「お前はお前のままで良い」








福沢がそう云うと、Aは少しだけ微笑み、頭を下げて社長室から出て行った。
その、数時間後のことだった。







「『なりたいと思う性格になってしまう異能』…だと?」







福沢は敦からそう報告された時、非常に嫌な予感がした。







「ちなみに、どんな性格になった」








「えっと、敬語で…笑いながらそれをかけた異能者を踏んでました」







その日、敦は初めて福沢が天を仰ぐ姿を見た。

*→←取り合うことはよくあること [ささみ様リクエスト]



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もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» 恥ずかしさが上回り、凶暴化する小泉なのでした。ご質問ありがとうございました。 (2019年12月22日 19時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - なるほど可愛らしいところもあるけどそれ故に凶暴なんですね!返答ありがとうございました。 (2019年12月22日 18時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» コメントありがとうございます。はい、ききます。ですが本人も理解しているので近づかれた瞬間相手は宙を舞うでしょう。あと場合によっては殴られるので誰も小泉にやろうとしません。 (2019年12月22日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - コメント失礼します!ものすごく気になったことなので質問します。小泉ちゃんって脇腹ききますか?! (2019年12月22日 13時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 姫歌さん» ありがとうございます。私もとても楽しかったです。またコラボしましょう。ありがとうございました! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年6月16日 20時

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