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名探偵と公安、エンカウント [夏羽様リクエスト] ページ25

(こちらは名探偵コナンとのコラボとなります、
詳しくは番外編『小学生探偵と異能力者』をご覧ください)






「お姉さん!」







声変わり前の少年の声がして、Aは視線を下に落とした。
そこには、大きな眼鏡が特徴的な少年が一人。







「この前の…」







「江戸川コナンだよ!」








ニコッと笑う子供は可愛らしい。
だが、






『子供に見えるけど、子供に見えないのは何故だろう』







ジッ、とAは有無を云わさぬ瞳でコナンを見つめる。
コナンは、何かまずいことを云ったかとドキリとした。






「一人で帰るの?」







「う、うん!」








「あまり子供一人で出歩かないようにね。
ここら辺、あまり治安が良くないらしいから」







「お姉さん、探偵社員なんだよね?
僕が危ない目にあったら守ってくれる?」







コナンは、少し試すつもりで云った。
"あの"探偵社員には見えない仄暗さを持つAを。
だがAは、コナンの前にしゃがむと、







「命に代えても」








そう、答えた。
その答えに、コナンは面食らってしまう。
あまりにも真っ直ぐな、躊躇いのない答えだった。







「あ、ありがとう…」







「…ところで、一つ質問しても?」







「なに?」







「…今の小学生って、伊達眼鏡流行ってるの?」








Aは気づいていた。
コナンの眼鏡に度が入っていないことに。
そして、何故か機械のようなものが埋め込まれていることに。







「えっ、あ…」








伊達に探偵社員をやっていない。
Aは既にコナンが普通の子供ではないと判っていた。
だが、怖がらせるつもりは無かった。






「じゃあ、私はこれで…、ごめんね怖がらせて。真っ直ぐ家に帰りなさい」







コナンの手に、乱歩用の飴玉を握らせる。
人に怖がられるのは、Aの本質だった。
立ち上がり、立ち去ろうとする。







「あ、待って!」







コナンはAが敵ではないと認識したのか、声を張り上げた。







「僕、僕ね、行きたいところがあるんだ!
だからついてきて!ね、お願い!!」







Aは紫色の目をパチリと瞬かせた。
そして、小さな探偵を見下ろし、一言。







「ご依頼、承りました」








白雪姫のような人はそう云って優しく微笑んだ。
その笑みは、まるで別人のように柔らかく、
同時に魔女のように怪しさを僅かに漂わせていた。

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もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» 恥ずかしさが上回り、凶暴化する小泉なのでした。ご質問ありがとうございました。 (2019年12月22日 19時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - なるほど可愛らしいところもあるけどそれ故に凶暴なんですね!返答ありがとうございました。 (2019年12月22日 18時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - anonimas594さん» コメントありがとうございます。はい、ききます。ですが本人も理解しているので近づかれた瞬間相手は宙を舞うでしょう。あと場合によっては殴られるので誰も小泉にやろうとしません。 (2019年12月22日 15時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
anonimas594(プロフ) - コメント失礼します!ものすごく気になったことなので質問します。小泉ちゃんって脇腹ききますか?! (2019年12月22日 13時) (レス) id: ae39e9e256 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 姫歌さん» ありがとうございます。私もとても楽しかったです。またコラボしましょう。ありがとうございました! (2019年8月17日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2019年6月16日 20時

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