検索窓
今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:735,016 hit

8話 ー藍澤ー ページ10

私が内心戸惑っていると赤い髪の少年が口を開いた。


「やぁ藍澤 Aさん?少し話そうか」


中学生とは思えない落ち着いた雰囲気。

見覚えがある顔だった。


ー入学式で新入生代表の言葉を言ってた人ー


入学式を思いだし、彼が誰かなのかわかった。




ー赤司 征十郎ー




友達がいない私でも分かる。

だってずっとうっとおしく感じていた人物なのだから。









「なんの話でしょうか?」

なるべく落ち着いた声色で赤司さんを見る。

その後ろにいる肌が黒めの男子生徒が不機嫌そうに声をあげる。



「お前だろ!俺達の変な噂流すのは!!」



え?彼は今なんと言った?噂?

なんで私だと分かったのだろうか。背筋に冷たい汗をかく。

とにかく今はとぼけなくてはいけない。


「噂……?よく意味がわかりません」


少し微笑みながら言う。

次は長身の紫色の髪をした男子生徒がダルそうに赤司さんに言う。



「赤ち〜ん。知らないみたいだよ〜」



そうすると赤司さんは私に向かい携帯の画面を見せた。



「っ!!」



そこに映っていたのは私と観月だった。

赤司さんが画面に触れると動画だったのか動き出す画面。




『バスケ部って実は格付けが裏であって、一軍は二、三軍の方々に

嫌がらせをしたりしてるらしいですよ』



『ほんと!?なんかひどいね』



『マネージャーの中でも嫌がらせがあるとか…………』




『うっわぁ…』




『他にもバスケ部は…………』



そこで動画は終わった。

赤司さんは私ににっこりと笑みを向ける。






「君が犯人なんだね?」





静かに私に言う。完全に私の負けだ。

すると後ろにいた緑髪に眼鏡という人物が怒りを含んだ声で言う。




「お前はどうしてそんな事をする…」




まずい……どうしよう……







青い少年は私を鋭い目で見ている。






紫の少年は私の事を興味なさそうに見ている。






緑の少年は私を責めるように私を見ている。







桃色の少女は私が悪役であるように見ている。







赤い少年は私に勝ったように見ている。







藍色の私はそんな視線の中立っている。









屋上の出入口はひとつ。そこには紫髪の少年が立っている。

ここから逃げるすべはない。








私の手が後ろにあるフェンスに当たる。

そうだ。ここは屋上…………

















逃げ場ならあるじゃない。


私は不気味に細く笑った。

9話→←7話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (340 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
635人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ありんこ(プロフ) - めっちゃおもしろいです!!緑間と仲いいですね!!笑笑更新頑張ってください! (2015年5月31日 17時) (レス) id: 4d2c2a19e6 (このIDを非表示/違反報告)
ミドリン - 藍澤ちゃんのちょっとひねくれた性格が良い!!スッゴく楽しみにしてます!!これからも頑張ってください! (2015年5月30日 20時) (レス) id: 8c21d6e656 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 直しました。ありがとうございました! (2015年5月24日 15時) (レス) id: 0a25db78c6 (このIDを非表示/違反報告)
橙乃かりん(プロフ) - もこすけさん» 才色兼備は美しさという意味も含んでいるので容姿端麗では重複してしまうかと・・・・上からみたいですみません。 (2015年5月24日 13時) (レス) id: c45918c086 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 眉目秀麗を容姿端麗に直しました!ご指摘ありがとうございます! (2015年5月22日 19時) (レス) id: 0a25db78c6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もこすけ | 作成日時:2015年4月6日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。