【黒バス】藍色少女の噂話

35話 ページ37

かれこれ藍澤がマネージャーになって一ヶ月がたった。

そんなある日……

「藍ちゃんってミドリンと仲良いの？」



「はい？」



タオルを干している最中、桃井がポツリと藍澤に問いかけた。

問われた藍澤は訳がわからないと言った様に表情をひきつらせている。



「何でですか？桃井さん」





「だって部活中、よく話してるし……」




確かに藍澤と緑間はよく話している。しかし、内容はおもに



『どうしてそんな簡単なこともできないんですか』





『お前の教え方が悪いのだよ』




といった様子だ。決して仲は良くない。むしろ悪い。

シュートを教える事以外は極力お互い関わらないようにしている。




「あの人はなんか気に入りません」




「はっきり言うんだね」



桃井が苦笑い、藍澤はため息をつく。




「でも実力はあると思います」



こっそり呟いたその言葉は桃井の耳には届かなかった。

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ボールの空気入れをしていると、赤司が話しかけてきた。



「藍澤」




「なんでしょうか？」



すると、何か用紙を取りだし、藍澤に渡した。

用紙には入部届けの文字が書かれていた。




「灰崎 祥吾？」




「あぁ、来週から一軍に入る者だ」




「なぜそれを私に？」




「君はマネージャーだろう？選手は全員知っておいた方がいい」




「そうですか」





「もうすぐで全中だ。よろしく頼む」




「はい」



赤司が練習に戻ると、入部届けの紙を真田コーチに渡した。









「全中か………」




藍澤は首にかけたペンダントをひとり、握りしめた。

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