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29話 ページ31

最悪な交流下校から一夜。

家では母から散々部活の様子(主に赤司の事)を聞かれ、

笑顔で嘘話を話し、不機嫌なAは夜もよく眠れなかった。









藍色の髪をなびかせながら、藍澤は少し早足で学校に向かう。

行き交う人々の波をするりとかわしながら歩く。

誰も彼女に気づかない。




『いてもいなくても一緒ってこと』




そんなひねくれた事を考えながら、校門をくぐる。

新しい友人達と楽しそうに話す生徒達の波をかわし、体育館に向かう。

体育館の扉を開けた所で誰かにぶつかる。




「すいません」




「うわぁ……っていったぁ〜〜〜」




藍澤の目の前には大きな体。頭上からは気の抜けた声。

顔を上げてみると、






「あっ〜〜藍ちんだ〜〜」





紫原が立っていた。なぜか膝から血を流している。

その後ろから虹村が出てくる。





「おい、どうした紫原?」





「あ〜藍ちんがいたの〜〜」






「藍ちん?」






「ほらここに〜〜」






「おはようございます」





「おう……藍澤。悪いけど紫原、保健室に連れてってくれないか?」







「………はい」






マネージャーとして紫原を保健室へと連れて行く。

支えながら歩くが紫原と藍澤の身長差体重差は大きい。

女子の中でも高い身長の藍澤も成人男性以上の

身長の紫原を支えるのはかなり大変だ。






やっとの思いで保健室に着いた。


「失礼します」


保健室の扉を開くが、誰もいない。時間が早すぎたようだ。



「え〜〜先生いないの〜〜?」






『先生が来るまで待っていたいですけど……でも………』



膝から血を流す紫原に視線を移す。

数秒見つめるとハァとため息を吐き、保健室の近くの水場に向かう。






「?」





「傷口洗いますよ」





そういうと、紫原の膝の傷口に水をそっとかけて、血や汚れを落とす。

水は血により、赤い絵の具を溶いた水のようになった。



「ちょっと痛〜い」





「我慢してください」



傷口を洗い終わると保健室に紫原を支えて向かう。

棚から消毒液にガーゼ、大きめな絆創膏を取り出す。



「藍ちんが手当てすんの〜〜?」





「先生来るまで、そのままで待ちますか?」





「………………」




藍澤にバッサリ言われた紫原は椅子に座ると傷がある足を差し出した。

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ありんこ(プロフ) - めっちゃおもしろいです!!緑間と仲いいですね!!笑笑更新頑張ってください! (2015年5月31日 17時) (レス) id: 4d2c2a19e6 (このIDを非表示/違反報告)
ミドリン - 藍澤ちゃんのちょっとひねくれた性格が良い!!スッゴく楽しみにしてます!!これからも頑張ってください! (2015年5月30日 20時) (レス) id: 8c21d6e656 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 直しました。ありがとうございました! (2015年5月24日 15時) (レス) id: 0a25db78c6 (このIDを非表示/違反報告)
橙乃かりん(プロフ) - もこすけさん» 才色兼備は美しさという意味も含んでいるので容姿端麗では重複してしまうかと・・・・上からみたいですみません。 (2015年5月24日 13時) (レス) id: c45918c086 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 眉目秀麗を容姿端麗に直しました!ご指摘ありがとうございます! (2015年5月22日 19時) (レス) id: 0a25db78c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2015年4月6日 20時

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