探偵社とマフィアのカラオケ [シュガー様リクエスト] ページ16
ガンガンズンズン、耳に突き刺さる爆音に顔をしかめる。
可笑しい、ここにいる者は皆それなりに立場があって、下手したら敵対すらしているのに。
なんで、
「なんでマフィアとカラオケになんて来てるんだよ…」
そして太宰さん、中也さんが入れた曲片っ端から消すのやめろ。
Aは激しい音楽と、それ以上に激しい云い争いの声を聞いてそっと出口の位置を確認するが、
実は乗り気の鏡花が静かに扉の前に立ったので諦めた。
「どうしてこうなった…」
大人数用の部屋にいるのは、かつてしのぎを削った探偵社とポートマフィア。
中也を揶揄う太宰、胃痛で呻く国木田、芥川と口論を繰り広げる敦、静かに加勢する鏡花、そして逃亡に失敗したA。
太宰にキレる中也、敦と口論を繰り広げる芥川、芥川に盛大に加勢する樋口、鏡花を愛でる紅葉、唐揚げにレモンをかける梶井。
はっきり云って、カオスの極みだった。
数刻前、偶然街中でマフィア勢とばったり会い、ライバル同士がお互いを煽って、
結果カラオケ対決になんてなる前に異能を使ってでも止めるべきだった。
「俺の予定が…くそっ、こんな事になるとは…」
「国木田さん胃薬です」
呻く国木田にそっと薬を渡すと、中也を煽りに煽っていた太宰がこちらを向く。
「なんだい二人とも、ノリ悪いねぇ」
「逆にこの面子で歌える貴方がすごいと思います」
「うふふふ、照れるなぁ」
「褒めてない。…あと敦と芥川、ここで異能使ったら二人とも壁に張り付けにするから」
遠回しに神々の国の首都を発動させると云ったAに、敦は青い顔をして素直に座った。
芥川も舌打ちをして反対側に座る。
その姿はさながら猛獣使いのようだったとのちに国木田は語る。
「はぁ……それにしても、カラオケってこんな内装なんだ」
「ぼ、僕もそれ思った」
「おや?二人ともカラオケに入るのは初めてかい?」
太宰の言葉に二人は頷いた。
「一緒に来るような友達、一人も居ませんでしたから」
「孤児院だとそんな娯楽施設とは無縁で…」
かたや孤立した女子高生、かたや孤児院育ちの少年。
暗い過去に触れるどころか鷲掴みにした事で、部屋は静まり返った。
何人か泣きそうな顔をしている。
「…僕らまずい事云った?」
「知らない」
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もこすけ(プロフ) - 白織さん» コメントありがとうございます。あの二人は小泉も混ざるとかなりカオスになります。もう少し続くのでお楽しみに。 (2019年1月6日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
白織 - リクエストありがとうございます!最初からカオスで笑いました。これからどうなるのか楽しみです! (2019年1月6日 17時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます。中也さん、混乱して語彙力低下してますね。笑っていただけて良かったです。 (2019年1月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 中也の「…ごめんちょっと訳判らねぇや」で、吹いた(ノ∀≦。)ノ (2019年1月6日 17時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 玲衣さん» コメントありがとうございます。制服で夜の街を歩いたせいで太宰さんが死ぬほど職質を受けた事件です。危ない絵面に見えたのでしょう…。 (2019年1月4日 20時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年12月9日 11時