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部屋に入ってきた男は縛られた二人を見て、ニヤリと不気味に笑った。
その時、彼の太ももの辺りでなにかが蠢くのが見えた。
「犬…」
そこにいたのは大きな黒い狩猟用の犬。
腹を空かしたように荒い息を吐く犬が二匹、鎖に繋がれていた。
「挨拶をしろ、これからお前達を殺す執行役に」
「…犬に殺させるってわけか」
「どうせなら無残に殺す方がいい。
安心しろ、お前達の哀れな最後はちゃんと映像に残して組織に送ってやる」
死ぬほど悪趣味だ。
近くにいる銀が飢えた犬を見て僅かに目を見開くのが判った。
「美しいものが壊れるのは見ていてとても愉快だ。
さぁ…凄惨な悲鳴を聴かせてくれ」
嗜虐的な笑みを浮かべた男は二匹の犬の鎖を外した。
飢えた犬は人という認識などせずに餌として襲いかかってくる。
「死ぬがいい、探偵社とポートマフィアの乙女よ」
飛びかかってきた犬の目がAをとらえる。
その瞬間、二匹の犬はピタリと動きを止めた。
「…なんだ…おい、早くやれ！」
「…ここまで来ると流石に落ち込む」
片方の犬はAに向かって吠えつつも襲いかからず、もう片方は完全に怯え、震えてしまっている。
「なんだ、お前、なにをした！？」
「なにも…強いて云うなら私は動物全般に懐かれないどころか嫌われてる」
生まれて十八年、何故か動物や子供に怖がられ続けている。
目が合うだけで逃げられたり、吠えられたり、子供の場合は泣き叫ばれたり。
思い出せばきりがない。
「だからその犬は私を殺さない。
生き物に嫌われてる私を選んだのが間違いだったな、ざまぁみろ」
腹いせに暴言を吐けば男は悔しげに呻く。
すると犬はキャインと鳴いて何処かへと逃げてしまった。
本当に嫌われてるなぁ、と思っていると隣に座る銀が同情的な目を向けているのに気づき、更に辛くなった。
「くそっ、役に立たん！もういい、俺の手でお前達を殺してやる！」
「あぁそう、それは凄い。犬に殺させようとしていたのに随分成長したな」
「ッ、お前！！」
激昂した男が拳を振り上げたその時、倉庫の外から凄まじい音がした。
「な、なんだ！？」
「あー…もう来た」
おめでとう、地獄からのお迎えだと云うと扉が吹っ飛ぶ。
そこにいたのは見慣れた探偵社と、マフィアの面々だった。
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もこすけ(プロフ) - 有栖さん» リクエスト承りました。嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2018年8月13日 6時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - リクエストです。薬か何かで小泉ちゃんが5歳くらいになって、武装探偵社で天然笑顔や、寂しがり屋を披露して太宰さんの事をお兄ちゃんって呼ぶって感じのお願いします!!!!!多めですみません！この作品めっさ好きです！ (2018年8月12日 23時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ゼロレールさん» リクエスト承りました。わざわざコメントありがとうございます。感謝します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロレール(プロフ) - リクエストいいでしょうか？以前にやった幼い太宰さんの逆トリと同じで、幼い中也さんの逆トリお願いします。後、前回コメントができず、すみませんでした。リクエストは無理でしたらスルーでも構いません。よければ宜しくお願い致します。 (2018年8月6日 22時) (レス) id: 3e587b9082 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 千晴さん» こちらこそありがとうございます。 (2018年8月6日 17時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2018年7月22日 21時
