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続65話 ページ16

突然の父の登場に目を白黒させる。








「お父様、なぜここに…」









「娘達の頑張りを見にくるのは当然だろう?

それと、いい加減お父様と呼ぶのはやめなさい。

ここでは誰も丁寧な呼び方など強制しないよ」








どうやら父は、Aが家ではお父様お母様と呼び、
外ではお父さんお母さんと呼んでいることを知っていたようだ。
相変わらずの洞察力にAがポカンとする。









「A、お前は自分を大切にしなさい」









「お父さん…あのこれは…」









「何か違うかい?

じゃあ何故日奈が泣きそうな顔をしているのかな?」









驚いて妹の顔を見る。
日奈の目は潤み、涙が溢れていた。









「あ…日奈…」









するとダムが決壊したように日奈の目から涙が溢れ出した。









「なんでッ…なんでまた一人で抱え込むの…?

約束したじゃん…もう眼は使わないって…

なんで…私が頼りないから?私じゃダメなの?」








泣いている妹に何も言えず、固まっていると、
日奈の頭を父が優しく撫でた。









「A、これがお前のしたかった事かい?

妹を泣かせてまでやることかい?」









「そんな…私はそんな顔させたいんじゃない!

ただ…勝つにはもうこれしか…!」









「本当にそれだけかな?」









「だって、私の【冷たい眼】を使えば

最善策を見出せるッ勝利の一手を見つけられるッ!」









「A、それはお前一人がとんでもない負担を抱えてしまうんだ」









「分かってる、分かってるんです…!!

でも、今の私たちにはこれしか…」








息切れをしながら、俯く。
違う、日奈を泣かせたい訳じゃなかった。
勝ちたいだけ、そんな風に悲しませるつもりはなかった。








「…A」









父の手が自分に伸びる。
叩かれるのか、そう思った。
しかし、父の大きな手は、Aの頭を優しく撫でた。








「大きくなったなA。

しばらく見ない間にこんなに立派になったのか」









懐かしい、父の手。
優しく包み込むような温もりを感じた。









「お前には重すぎる荷を背負わせてしまった。

本当にすまなかった。辛かったろうに」








「ッ…」









「だがな、A、お前は一人ではない。

お前には仲間も妹もいる」








父はそう言うとAと目を合わせて笑った。









「他の策はある」

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もこすけ(プロフ) - ミオさん» コメントありがとうございます。ひっそりと書いていました。嬉しいお言葉をありがとうございます。これからも頑張ります。 (2020年5月11日 19時) (レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 黒バスも書かれていたんですね……とても面白かったです。どの作品もしっかり考えて作られていて、すごいと思います。これからも頑張ってください! (2020年5月7日 19時) (レス) id: 244e2b34cf (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 今井 明希さん» 読んでくださりありがとうございます。少しずつ頑張らせていただきます。応援、ありがとうございました。 (2020年5月1日 12時) (レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - 昨日と今日でいっき読みしちゃいました、、、続編おめでとうございます!続き頑張ってください!待ってます!! (2020年4月30日 0時) (レス) id: d714c1a6ae (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ややるるさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2017年3月9日 16時

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