【おそ松さん】人形劇場は、上品かつ愛らしく。【病み松】

018:遅刻は時間の損益 ページ19

「…aaafaあぁaあぁfaふあぁあ〜。」

自分でも良く解らない日本語もどきの欠伸を漏らし、重い瞼を持ち上げる。

どうやらろくに荷物の片付けもしないで寝てしまったらしく、僕は床に雑魚寝し、回りは段ボールの山。

幸い、あんだけ呑んでも一応、記憶はあったらしく、日本酒の味はまだ覚えている。

『1時間後の1時、赤塚公園来れます？』

そして、あの約束も覚えてる。

今何時、と反射的に壁を見る。

が、引っ越しホヤホヤのボロアパにそんなの無く、自分の腕を見る。

目を疑った。

アナログは見にくいから、とデジタルに変えた腕時計で、1:30という数字が映っている。

一瞬、ドイツの時間から日本の時間に変えてないのかと思った。

でも、そんなことない。

これは、Aがくれた腕時計。

日本の空港に着いて、開口一番に、「腕時計日本時間に変えて！」って言ったのを覚えてる。

つか、忘れる訳無い。

重い体を動かして、段ボールに近付く。

取り敢えず、あんな美少女に誘われたんだから、結構力入れた服にしなきゃ。

これでも僕は、結構有名なセレブのお坊っちゃまなのです。

良い服何て、余る程持っている。

まぁ、そんなにパーティじゃないんだし、観てくれは普通な感じにするか。

あとは、影ながら自慢の栗色の髪の毛を整えて、シャツの襟を直して、スマホの地図アプリを開いて、赤塚公園へ。

運動は得意ではないもの、頭は冴える方。

地図と周りを見て、近道を通っていく。

そして、小さな公園。ブランコ、滑り台、ジャングルジム、鉄棒、砂場と昼間は子供で賑わいそうな。

もう一回、襟を整えてっと。

僕は、ブランコに座る美少女に近付く。

弱井魚魚子さんに。

飲み会の時、『トト子ちゃん』って気安く呼んじゃったけど、大丈夫かな。

何て思い乍。

「30分遅れました、雪乃です！遅れてすみませんでした！」

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