第三話 ページ5
「千二百八十四!!千二百八十五!!
よいっしょー!まだまだー!!」
やけに元気な声が聞こえてきて、私は
電気がついてる部屋をそーっと覗き込んだ。
見ると、黒いスーツに黄色いネクタイをした男が部屋の中でバットを握って素振りをしている。
………いや、千二百って。回数えげつないな怖ぇ…
「ちょっと十四松兄さん!危ないから部屋で素振りしないで!!」
また別の声がして視線をずらすと、
同じ格好をした男が他にも5人いた。
でもみんなネクタイの色が違う。
さっきの素振りしてた奴を含め、
ネクタイの色は、
赤、青、緑、紫、黄色、ピンクだった。
ん?ちょっと待って…
『(ぜ、全員同じ顔!?)』
いや待って待って…何コレ夢?
6人全員同じ顔って……
と、私が混乱していると。
「そういえば、なんかさっき誰かがこのアジトに侵入したっぽいよー!!監視カメラに映ってたー!!」
黄色いネクタイの男が元気に言った。
って、あれ?バレてる?
一応顔バレしないように仮面付けてるけど。
「はぁ⁉ウソでしょ!?」
緑色のネクタイをした男がツッコミを入れる。
「ウチのアジトに侵入するとか、いい度胸してんねソイツ……ヒヒッ」
うわっ、紫色のネクタイしてる奴、
アイツ怖ぇ…関わりたくねぇー
「どんな奴だった?」
と、青い奴。
「うーんとね、顔は仮面付けてて分からなかった!でも一人だけだったよ!」
「仮面?今、ソイツどこにいるか分かる?」
って緑の奴が言ってる。
あ、ヤバい。ここにいるってバレたら
秒で捕まる。早くダイヤ見つけて帰ろう。
私は急いでその場を離れた。
__________________________________
も〜どこよ、ダイヤ〜
またあちこち探しまわってみると…
『あ!発見伝!!』
お目当てのダイヤがご丁寧にケースに入れられていた。
鍵?パスワード?なにそれ、おいしいの?そんなの怪盗やってる私にはほぼ無意味。
3分後。開いた。ワーイヽ(=´▽`=)ノ
『さーてと、後は無事に帰るだけ……』
「そこで何してるのかなぁ?」
……え。
背後から声がしてゆっくり振り返った。
「こんばんは、侵入者さん?」
同じ顔の6人。
そしてソイツらは今、拳銃を私に向けている。
この時、私は思った。
『(あ、これ…ワリとピンチだわ(笑))』
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イドラのドール | 作成日時:2020年4月24日 18時