昼食の戦争<3年生> ページ7
高嶺Aさんは一人暮らしをしていた。
それも中学生だった頃から。
別に両親がなくなってしまったから、なんて大した理由じゃない。
ただ、両親が共働きで家に帰ってくることがほぼなく、一般家庭よりも少し大きな一軒家にずっと一人だけで過してきた。
それが故に小学生の頃から料理、洗濯、掃除、なんでも躾られ、家事ならばなんでも出来る完璧な家事人間となってしまったのだ。
当然、高嶺さんの料理に人気があるのはその理由があってこそ。
幼き頃から包丁を持って調理してきたのだ。そんじゃそこらのお嬢様やお坊っちゃんに負けるわけがない。
そんな彼女の最早一人前である料理の腕の見せどころなお弁当。
高嶺さんの作ったお弁当は、野球部員たちの戦争の元となった。
『あ、結城先輩!!
これ、今日のお弁当です。』
「ああ、毎日すまないな。」
毎日一学年に"1つ"だけ配られるその重箱の中身は言わずもがなAの手作りだ。
何故各学年１つだけなのか…
普通に考えて見れば分かることだが、簡単に言えば100人近く居る部員全員のお弁当など作れるわけがないからだ。
そのため、毎日重箱3つ分を作るのが限界。
作るようになったきっかけを言えば、寮生に頼み込まれたから。
実家通いの生徒は弁当など作ってもらえるが、寮生達は弁当などあるはずもなく購買や食堂などがほとんど。
弁当というものが恋しくなったのか主に3年生に頼まれ作り出したのだ。
『少ないのでおかず程度にしかならないと思いますが、こんなもので良ければ作りますよ。』
「"こんなもの"じゃないぞ。
みんな喜んで食べている。」
『そうですか？それなら良かったです!!
それじゃあ私は帰りますね。』
「まて高嶺。
今日はうちで食べないか？」
用もなくなりこの場にいる必要もなくなったので帰ろうと結城に背を向けると、肩を掴まれ振り返るA。
問いに答える返事はただ一つ。
Aは笑顔で『喜んで！』と答えた。
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鈴蘭(プロフ) - みやさん» ありがとうです！これからも更新頑張ります！ (2019年5月20日 12時) (
レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 面白いです！！これからも読ませてもらいます！ (2019年5月19日 21時) (レス) id: 4612c4ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - レナナミル♪さん» 今回のお話のメインは鳴ちゃんなのでこれからもご期待ください!!笑 (2019年5月16日 23時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
レナナミル♪(プロフ) - 鈴蘭さん» です！鳴ちゃんファンとしてはもう発狂(いい意味で)ものです！騒いじゃいますよ！ (2019年5月16日 22時) (レス) id: aefdd45bb5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - レナナミル♪さん» ありがとうございます！面白いものが書けるよう日々努力しております笑。鳴ちゃんカッコイイし可愛いですよね〜 (2019年5月16日 22時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水面雫 x他3人 | 作成日時：2019年5月9日 21時
