豹変ウルフ3<成宮鳴・御幸一也> ページ20
「よかった。」
そう呟き、安心しきって穏やかに笑った御幸に不覚にもキュンと胸がトキメキその優しい瞳を見つめていれば、何故か顔が近づいてくる。
それに気づいていながらもオロオロと焦るばかりで為す術なくされるがままになっていればちょうど御幸越しについ先程再開したばかりの成宮がいることに気がついたA。
そしてその瞬間、唇近くの頬に暖かくも湿った感触。そして驚くAの瞳に映るものも目を見開き驚きをあらわにしていたのだった。
というのがここまでの流れ。
簡単とはいえどかなり長々しく説明してしまったが、要は修羅場に修羅場が重なり大変なことになっているのである。
『もう!いい加減にしてください!!
することが全てセクハラ紛いですからねっ!
鳴ちゃんも!!さっき人前でキスしてきたことまだ許してないんだから!!』
Aは俺のだ俺のものだと両手引っ張られ腕が千切れそうな程になりもう我慢の限界とばかりに声を張り上げてそう言ってしまえば、一瞬怯んだ二人の間を抜け出した。
「は?え、ちょっとそれ聞いてないけど…
何?誰が誰にキスした?鳴が、無理矢理襲ったわけ?」
「バカ言わないでよ。無理矢理襲ったんじゃなくて合意の上だから。」
『いやいや、何本人の前で嘘ついてるの?
もう鳴ちゃんとはキスしないってずっと前に言ってたでしょ!?』
「でも俺、まだAのこと好きだよ?会えなかった日もずっと毎日Aのこと考えて、彼女だって……
居たことはあったけどAじゃなかったから長続きしなかったし、寧ろAの事しか考えて無さすぎて俺がフラれてるし!!」
弁解か口説きなのかはたまた愛の示しなのだろうか、良くもそんなに恥ずかしいことを長くも連ねられるな、とAは少し呆れながらもその好意に恥ずかしさと少しの嬉しさ込み上げ顔を真っ赤に染めあげた。
実際、成宮の隣にいる御幸はといえば腹を抱えて笑い泣きする始末で、あまりに酷すぎる故にか成宮に頭をチョップされていた。
『や、やめてよ、そんなこと言われたって私は別に…
も、もうごめんなさいっ!許してぇぇぇ!!』
この状況で何をいえば正解?むしろ正解となる言葉などあるのだろうかとAは頭の中で葛藤、そして寂しがるような目で見てくる成宮に耐えかね、Aは思わずどこへ行くでもなく走り出してしまったのだった。
一目惚れエマージェンシー<多田野樹>→←スパイトフル王子2<成宮鳴・御幸一也>
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鈴蘭(プロフ) - みやさん» ありがとうです!これからも更新頑張ります! (2019年5月20日 12時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 面白いです!!これからも読ませてもらいます! (2019年5月19日 21時) (レス) id: 4612c4ddc4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - レナナミル♪さん» 今回のお話のメインは鳴ちゃんなのでこれからもご期待ください!!笑 (2019年5月16日 23時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
レナナミル♪(プロフ) - 鈴蘭さん» です!鳴ちゃんファンとしてはもう発狂(いい意味で)ものです!騒いじゃいますよ! (2019年5月16日 22時) (レス) id: aefdd45bb5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - レナナミル♪さん» ありがとうございます!面白いものが書けるよう日々努力しております笑。鳴ちゃんカッコイイし可愛いですよね〜 (2019年5月16日 22時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水面雫 x他3人 | 作成日時:2019年5月9日 21時