もう逃げない【kz】 (ページ27)

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twenty-two ページ27

ピッとマンションの玄関(？)みたいなところに入った。

カードを持っている人しか入れないっていうのは安心かも。

そこから、地図みたいなところをみたら私の部屋の『５○８』は６階だった。

上がるの大変そう、、

あ、でもエレベーターあるのか。

新しい建物らしく、きれいだった。

で、おしゃれ。

一つ一つがこってるんだなぁって思った。

エレベーターも静かで、これなら毎日落ち着けるなーって少し気分が上がった。

５○８、５○８、５○８、、

あ、あった。

ドアを開けると、何もない殺風景な部屋だけど、どことなく清潔で落ち着く感じの部屋だった。

3日前に業者さんが来てたらしくベットなどの家具が並べてあった。

どれもママの趣味に添ったものだった。

きっと、ビデオ通話みたいなやつで指示してたんだろうな、、

「ちょっと！ちがうっ！」とか「もっとそっちよ！」とか「もーぉ！極端すぎるわよっ！」とか、ヒステリックな声を出しながら指示をするママとアタフタしてる業者さん、、

想像がリアルでありそうな気がして、ちょっと怖くなった笑

自分の部屋をグルっと回ってみると、なかなかいいなって思った。

持ってきた荷物を自室にほおり投げて、ガサガサとあさり、スマホ、お財布をリュックにいれた。

買い物に行くために。

何もなくて、お腹すいちゃう。

ダイニングに行って、キッチンを確認しつつ、リュックをダイニングテーブルに置く。

そのまま、ベランダに行った。

手すりに体重をかけて外に顔を出すと、色んな音が聞こえてくる。

電車が走る音、車が走る音、、

まわりを見渡すと、やっぱり変わったなって思ったけど、でも音はそのままだった。

子供が遊ぶ声も、おばさん達が笑う声。

変わらないものがあると、「あぁ、ここが地元なんだな、私の。」って思える。

そろそろいかないと。

私はリュックを担いで、マンションを飛び出した。