太陽の君と月の私。【kz】

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「ここお願い！」




「ほら、佐々木さんもっと働いて！」




「こっちだよー！」




「もうちょっと右かな！」




どんどん月日は過ぎて、もう前日。




前日に行う団式も終え、各係で会場作りに取りかかる。




私は接客係。




お客様はいないけど、来賓の方に案内したりとか先生にお茶を配ったりとか、生徒のテントにある給水器の補充とかが仕事。




私は今日やることがないので、先生のお手伝い。




椅子や机を拭くように言われて、来賓の方や先生が使う全ての椅子と机を拭いている。




まだ夏の暑さが残るこの時期、放送係がマイクテストやBGMの確認をする度に大音量が耳に響きガンガンする。




こめかみには汗が垂れ、体操服の中も汗が滲む。




そういえば、マリンも放送なんだよね。




美門くんは、応援団なの。




ハチマキつけて、学ラン着て、練習の時だってカッコ良かったんだから。




「立花さん！」




噂をすれば、、、




「応援団時間かかりそうだけど、どうする？




もうすぐ暗くなるから、できれば送っていきたいんだけど。」




言葉一つ一つにキュンっと胸がなる。



「待ってる、お願いします。」




一緒に帰りたいし、暗いと不安よ。




「了解しました、出来るだけ早く終わらせます。」




おどけた美門くんに思わず笑みが溢れる。




「よろしくお願いします」




２人、校庭で笑った。

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