暗闇から差し込む光【kz】

嵐の予感……？ ページ17

「立花ーっ！」




耳にガンガン響く程のうるさい声で病室に走ってきた忍。




「よし、外出るぜ。」




「はあっ！？今日！？」




驚いたように目を見開かせる私に、目をパチパチさせながら首を傾げる忍。




「え？昨日言ったじゃん」




え、いや、次の日に行くの……？




「さ、早く着替えろよ、置いてくぞ」




どうやら私には拒否権がないらしく、ベットの周りをカーテンで覆いはじめる忍は、私に早く着替えろって促している。




はあ、と溜め息をつきながら、毎日が嵐になるなあと身震いした。









終わったよ、そう声をかけると忍はすぐにカーテンをシャッと外した。




「車椅子乗って。」



ベットの横の、座りやすいところに置いてくれて私を抱えて静かに乗せてくれた。




車椅子に手をかけているから、押してくれるのかな。




忍………優しいよね。





「よし、行くか。」




うん、と返事をして前を向いたら……




わわっ




「忍っ、速いよ！！」




「はっ？結構遅いつもりなんだけど……」




「無理無理、怖いって！」




「え……このくらい？」




「もうちょっと、遅く。」




このくらい？といちいち確認する忍に思わず笑みが溢れた。




「そのくらいがいい」




「えぇ、おっそ」




「じゃあ、出掛けない。」




「……………平気。」




ぶっ




＊次回の更新＊

『美しくて、儚げ』
『彼なりの優しさ』

５月８日(金) 夕方頃。

美しくて、儚げ→←恩返しみたいな

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