ずっとこのままで【楓原万葉】

悪い子 ページ8

どうしよう。
平蔵には言っていない、“もう一つの約束”がある。

“約束について詳しく言わない”。


私、これからどうなっちゃうんだろう。
万葉の約束をもう破っちゃってる。
悪い子だ。
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平蔵side

「さてと、万葉も船まで送ったし••••って、そんなに泣きそうな顔しないで•••。」

周りから見たら僕が泣かせた様な構図になっちゃってるって•••！


『う、だ、だって••••約束、破ったらいけないのに•••！』

「•••••••」

何故、其処まで“約束”に拘るんだろうか。
矢っ張り気になる。
取り敢えず、場所を変えよう。


「A、僕に着いて来てくれる？」

『•••••••••••うん。』

Aは大人しく僕の手を握った。

「大丈夫、別に怖い事とかしないから。安心して。」


『殴ったり、蹴ったりしない？』

「うん。」

『爪を抜こうとしない？』

「うん、しないよ。」

『熱い水を掛けたりしない？』

「絶対しない。質問に答えてもらうだけだから。」


と、答えながら僕は場所を移動していた。

殴る、蹴る、爪を抜く、熱い水。

Aはもしかすると、人身売買から逃げて来た孤児の可能性が高い。
其れに顔立ちや髪色も稲妻辺りだ。


知能も浅いと云う事は生まれて直ぐ、攫われ、
人身売買で拷問を受けて、逃げた所を拾ったって処かな。


そう考えると怒りが収まらなくなる。

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