ずっとこのままで【楓原万葉】

違和感 ページ7

平蔵side


『へ、平蔵？•••万葉に何をしたの？••••』



真っ青な顔になったAが後ろへと後退りした。
まぁ、確かに急に手刀して万葉が倒れたら怖がるのも無理は無いか。

「大丈夫、少し万葉は戻って休んで貰うだけだから。」

『••••••••万葉は疲れてるの？』



「そうかもね。」

今日の万葉は変だ。
顔が何となく不満そうだったし、いきなりAに抱き着いて離れなかったり。
ストレスでも溜まってたのかな？
僕はあまりそんな万葉、見た事無いけど。

ま、人間は気付かない内にストレスが溜まるから、其れと同じ感じか。



するとAはあわあわした様子で、

『な、なら私も戻る。“約束”だから。』
「“約束”？其れは如何云う約束なのかな。聞かせてもらえる？」


僕が不思議に思って尋ねた。
そしたら、Aの発言から少し違和感があった。

『えっとね、一つ目は、約束は“絶対”。破らない事。
二つ目は、読み書きは一日5分。
三つ目は、何があっても万葉から“離れない”事。
あ、でもね、私、今までこの約束破った事無いんだよ！えらい？』

「あ、うん。そうだね。」



見た目に反して幼い。精神年齢が。
孤児だったからちゃんとした学習も出来てなくて読み書きが出来ないのか。
とは言っても一日5分はあまりにも学習時間が少ない。

何というか、ずっとこのままでしておきたいと万葉が考えている感じがする。
いや、僕の考え過ぎか。

顔が険しくなっていると、Aが不安そうな目で見つめてきた。

『平蔵も大丈夫？』

「うん？全然大丈夫！
それより、万葉を船まで送らないとね！」



『じゃあ私も船にもd「Aはちょっとだけ僕の手伝いをしてもらうよ。」

『え、でも私、約束がっ•••！』
「外が暗くなる前に帰れば大丈夫だよね？」



『うん•••••••••』

静かにAは頷いた。
ちょっとだけ罪悪感があるけど、色々と聞きたい事が山積みだからね。

悪い子→←支配欲

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