ずっとこのままで【楓原万葉】

稲妻 ページ4

No side



ある日、
稲妻の港に大きな船が止まった。
稲妻は少し前まで目狩り令と云うものがあったが、今はそれが廃止された。
だが、鎖国令はまだ解除されていない。
つまり、通行証が無ければ入国が不可なのだ。




その厳しい審査を通して入国を許可された。



















のではなく、モンド出身のトーマと云う男の手助けによって入国が出来たのだ。
つまり、不法入国といっても良い。



「じゃあアタシらは其処等を周るが、Aはどうする？」



北斗はAを見た。
Aは北斗の方へ腕を伸ばすが、万葉がそれを止めた。

「Aは拙者と行動しよう。姉君も少しは気分転換が必要でござる。」

『あ、うん、うん！』




読み書きもまだ上手くないAは首を上下に激しく振りながら賛成する。
北斗は二人の意見に甘えた。

「そうか。じゃあお二人の意見に甘えさせてもらうとするか！
呉々も迷子にならない様にな、特にA！」
『うん、うん！！』


また返事をしているが、本人は全く何が何だか理解していない。
頭上にひよこがクルクルパーと飛んでいた。








「A、拙者は今から友人の所に向かうのでござるが、
絶対に拙者の手を話してはいかぬ。良いでござるか？」

『うん！うん！』



「•••••••本当に分かっているのであろうか？」

万葉は苦笑いを零した。

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