捻くれ者のクソガキ【放浪者】

素直じゃない ページ10

「おい、何でファデュイに絡まれたのに助けを呼ぼうともしなかったんだ。」


放浪者は怒った様な焦った様な顔で私の肩を掴んだ。



『•••あぁ、ごめん。でも、此処は“人”なんて滅多に来ないでしょ？
其れに、放浪者には関係無い。言ったじゃん？“仲良くする気は無いって。』


ー仲良くする気は無いからね。ー




「そうだとしても、仲良くしようとしてるのにその態度は何？」

『じゃあ、何であの時あんなに愛想が悪かったの？私がやってる事、あの時の放浪者と
同じ様な事をしてるだけだよ。』





私は放浪者を睨んだ。
本当に何でそんな上から目線なのか分かんない。
放浪者は私の言葉でグッと口を噤んだ。
すると放浪者はボソボソと何かを呟きだした。


「••••••••う」
『は？何？』

「••••••うって言って•••」
『んんん？？？』

「っ、仲•••しよ••••って•••」
『ん？えぇ？？？？』




私が中々聞こえずに何回も聴き直しているからか、放浪者はブチ切れた。
そして私の耳を掴むと大声で




「仲良くしよう！！！って言ってるだろ！そんなのも聞こえないのか！！！！！！」





その時の放浪者は顔が真っ赤だった。
突然の事にポカーンとしていた隙に放浪者は物凄いスピードで何処かへ消えた。

『は？•••え？••••』

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