捻くれ者のクソガキ【放浪者】

月 ページ36

『あ、いや•••嫌だったら断っても全然良いk「それ、如何云う意味か分かって言ってるんだよね？」

放浪者がグイッと私との距離を詰める。


『“意味”とは？••••』

私が質問すると放浪者は私の腰を掴み、更に距離を縮め、密着させた。


「“こう云う事”だよ。いつ、襲われるか分からないのに、“家に来る”なんて警戒心が
無さ過ぎじゃないかな？あ、もしかしてそう云うお誘いかな？」



『ち、違うんだけど•••てかそう云う意味じゃなくて•••••••！』




私が必死に弁解しようとすると放浪者は一旦私から離れた。

「そう云えば、まだ返事貰ってないんだけど。僕は気が短いから、
早くしないと“物理的に僕のモノ”にするけど、良いのかい？」



『えっ？！でも明日までだよn「気が変わった。今言え。」





いきなりそんな事言われても•••••••
でも、覚悟決めないと。

私は中々素直になれない。
言葉にしたいのに言えない。
遠回しに言える事は••••••••••








自分の視界に月が映った。


『•••今日は月が綺麗だね、放浪者。』



「ハッ、随分と遠回しに言うね。」

『私が中々素直になれないって云うのを知っている癖に。』


「だから今言わせたんだけど。」

放浪者は私に近付いた。
そして私の頰に触れる。


この空間が何だか恥ずかしく、放浪者から目を逸らしてしまう。
自分でも顔が赤くなっているのが分かった。

「此方を向け」

両手で無理矢理、放浪者と目が合う様になった。

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