捻くれ者のクソガキ【放浪者】

下心は決して無い ページ35

クラクサナリデビ様が手当てをし終わると、放浪者は私を下ろした。
私は撃たれた処が治っているのを見ようとし、服の裾を上げようとすると放浪者に
腕をガシッと掴まれた。

『え、如何したの、放浪者？』


キョトンとした顔で放浪者を見ると、放浪者は

「はぁぁぁぁ•••••••」


頭を抱え、大きな溜息を吐いた。
え、何？！私、馬鹿な事した？？？
クラクサナリデビ様を見ると、


「•••••••笠っち、色々と大変ね。」

この始末。



『何か、こう云う光景見慣れてきたなぁ•••。
それよりクラクサナリデビ様、治して下さり、ありがとうございました！』

「ふふ、気を付けて帰るのよ？Aは元気過ぎるのだから。」



『大丈夫です！さ、放浪者帰ろう！』


「おいっ！引っ張るな！！」



ズリズリと放浪者を引き摺って行った。

















外は夜になり、月明かりを頼りに私達は帰っていた。



『放浪者、家は何処？』

「家？そんなの無いけど。」



•••は？！無い？？！

つまり、野宿って事！？
そんな野生タイプなのか、放浪者？

『如何やって夜を過ごしてるの？』


「宿に決まっているだろう。」

『ほ、ほう•••••••因みに今日は如何するの？』




別に下心は無い。
そう、無い無い無い無い•••決して無い！！

「そう云えば決めてなかったね•••••••野宿かn『だったら私の家に来ない？！』



「••••••••••••••は？？？」

放浪者の歩く足が止まった。
や、やらかした！？

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