3day-02 ページ22
A's story.
目が覚めれば椿兄さんと梓兄さんがすぐ側で眠っていた。
思わず顔が綻ぶ。
ベッドには眉間にシワを寄せた棗。
二人を起こさないように抜け出すもあまりの至近距離に、梓兄さんが目を覚ましてしまった。
『ごめんなさい、起こしちゃったね。
朝ごはんの準備にいくからまだ寝てて？』
梓 ｢おはよう。僕も今日は早めに出なきゃいけないから、このまま起きるよ｣
着替えを済ませてから二人でリビングに行けば、右京兄さんがいた。
いつもの時間。
『おはよう。今日から少しの間、食事の手伝いを代わって貰ったの。』
右 ｢おはようございます。梓も早かったですね。
それではよろしくお願いしますね。｣
梓兄さんにコーヒーを淹れてから、料理を開始した。
時々覗いていたから分かるけど、右京兄さんは手際もいいし、盛り付けもキレイ。
それに掃除や洗濯などもしている。
『本当尊敬するよ。』
右 ｢何ですか、急に。｣
独り言のつもりが、どうやら言葉に出ていたらしい..
次の言葉を待つかのようにこちらを見るから、恥ずかしながらも口を開いた。
『昔からなんでも出来る人だったけど、弁護士になって忙しいのに家の事を完璧にしている。
しかも13人分。いつもありがとう。』
右 ｢その事ですか。確かに大変なときもありましたが、あの通り母さんは忙しい人ですし。
13人分も慣れればどうってことありませんよ。｣
そう言いつつも嬉しそうな顔とリズミカルな包丁さばき。
私も再び手を動かし始めた。
右 ｢夕飯の支度のときにいつも学校での話を聞かせてくれていたじゃないですか。｣
『うん。だいたい椿兄さんの事だったけどね』
右 ｢あの時間が結構好きだったんです。｣
当時の私は学校での様子を、右京兄さんに話すのが日課になっていた。
まるで母親に今日の出来事を話す感じで。
右 ｢高校生だった私は受験などでピリピリしていましたが、あの時間は心休めになってとても心地のいい物でした。｣
『そうだったね。…だから一人でキッチンにいる右京兄さん見てて、この声が届けばいいなぁって…
でも今奇跡的にこうしてまたキッチンに立てて嬉しいの。』
右 ｢近くにいるのに、貴女はずっと一人だったんですね。｣
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ゆうり - 曇りのち椿の続きが気になります！！！更新頑張ってください！！！ (2016年9月27日 19時) (
レス) id: 9a740452e6 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - アップルキャンディさん» もちろん覚えているよ。コメントありがとう！お互い更新頑張ろうね！ (2016年2月8日 9時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
はなな〜☆ - あったかくも切ないお話ですね… ラストはどうなるんだろう？続きが気になります！とても素敵な作品です！モカさんの作品、大好きです♪更新、頑張ってください！ (2016年2月8日 0時) (レス) id: f2b435662e (このIDを非表示/違反報告)
アップルキャンディ(プロフ) - モカちゃん、お久しぶりです。私のこと、覚えてるかな…？て、私の勘違いだったらごめん（笑）モカちゃんの作品、あったかさがあって好きだな♪キャラがめっちゃ大切にされてる感じがある。更新楽しみにしてる！ (2016年2月7日 22時) (レス) id: 6b17a8d120 (このIDを非表示/違反報告)
朔 - めっちゃ泣きそうになって読んでます…笑 次の展開が楽しみです♪( ´▽｀) (2016年1月21日 10時) (レス) id: c66d99a0c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2016年1月5日 17時
