2day-07 ページ19
俺は服の袖で涙を拭いた。
泣きたいのは俺よりもA..それに棗だ。
棗に電話をしようと携帯を取り出した。
椿 「なんて言えば言いんだ..?」
Aがあと6日で消えるから来い?
そんなこと棗に言えねぇ…
光 「いつもの強引な無茶ぶりで良いんじゃないか?
棗だってAに会いたくて仕事も手に付かないだろうし。」
________
俺と梓がいつも一緒に居たように、棗とAもいつも一緒だった。
男女の双子だからか大きくなるに連れ、周りの友達からからかわれたりで棗は距離を置くようになっていたが。
それでもAを大好きなのは変わっていない。
椿 「寂しくねぇ?」
中学生の俺は一人で洗濯物を畳んでいたAに尋ねた事があった。
『もう中学生だもん。それに棗の考えてることは分かるから寂しくないよ。』
椿 「周りのダチのこと気にすんなよ?
Aがかーいいから棗に妬いてんだぜ」
『ありがとう。…ふふふ、夜寝る前に必ずおやすみを言いに来てくれるんだよ、棗。
だから平気なの。』
俺の部屋にはおやすみを言いになんて来たことねぇぞ、棗!
四つ子の兄なのに!なんて思ったけど2つの魂を分け合っているだけあるなって思った。
_______
椿 「棗にあと6日って言えねぇ..」
要 「また[あの時]みたいになってしまうかもしれないね。」
光 「まだ黙っていて良いんじゃないか?」
Aが死んで棗はしばらく引き込もっていた。
俺だってかなりキツくて、名前を呼んでも返事がないのは本当に居なくなった事を実感させられた。
椿 「棗..取り合えず呼ぶ。」
call音の途中で愛想の悪い返事が聞こえて来る。
椿 「なーつめー今日から毎晩4にんで寝るから荷物持って今すぐ来いよ〜」
棗 「なっ!おい!」
騒いでいたけど通話終了の文字をなぞった。
光 「椿らしいな。先に風呂に入ってしまえよ。」
椿 「そーだね。いってくる。」
あと6日。1月9日にAは居なくなる。
それならその日まで、笑っていよう。
最後の想い出になるかもしれない。
なら笑った顔を覚えていてほしい。
それに俺も、Aの笑った顔が大好きなんだよな。
急いで風呂に入り、二人が待つ俺の部屋に向かった。
177人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうり - 曇りのち椿の続きが気になります!!!更新頑張ってください!!! (2016年9月27日 19時) (レス) id: 9a740452e6 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - アップルキャンディさん» もちろん覚えているよ。コメントありがとう!お互い更新頑張ろうね! (2016年2月8日 9時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
はなな〜☆ - あったかくも切ないお話ですね… ラストはどうなるんだろう?続きが気になります!とても素敵な作品です!モカさんの作品、大好きです♪更新、頑張ってください! (2016年2月8日 0時) (レス) id: f2b435662e (このIDを非表示/違反報告)
アップルキャンディ(プロフ) - モカちゃん、お久しぶりです。私のこと、覚えてるかな…?て、私の勘違いだったらごめん(笑)モカちゃんの作品、あったかさがあって好きだな♪キャラがめっちゃ大切にされてる感じがある。更新楽しみにしてる! (2016年2月7日 22時) (レス) id: 6b17a8d120 (このIDを非表示/違反報告)
朔 - めっちゃ泣きそうになって読んでます…笑 次の展開が楽しみです♪( ´▽`) (2016年1月21日 10時) (レス) id: c66d99a0c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モカ | 作成日時:2016年1月5日 17時