2day-01 ページ13
ー2016年1月4日 月曜日ー
目覚めれば腕のなかにはピンク色の髪をした温かな弟。
温かいか…
浮遊中は気温も空腹も感じなかった。
今はまるで
『生きた人間みたいね』
目を覚ました弥と服を着替えてから、5階のリビングに向かう。
右 「…!おはようございます。
良かった。寝て覚めてから貴女が居たのは夢だったのではないかと、少し不安でした。」
安堵の表情を浮かべる右京兄さんに、何故か嬉しくなる。
『絵麻ちゃんはいないの?
私手伝うよ。』
右 「今日の手伝いは貴女が来てくれる気がして、絵麻さんには休んでもらっています。
料理は出来ているので配膳をお願いします。」
『ならもう少し早く起きたら良かったね』
生きていた頃は高校生だった右京兄さんと二人で料理を作ったり、後片付けを一緒にしていた。
どこに出しても恥ずかしくないようにと、一通りの料理と家事は兄さんが教えてくれた。
右 「何だか嬉しそうですね」
『またこうして台所に二人で立てるのが嬉しいんだ。
家の兄弟はなかなか手伝いしてくれないから、いつも兄さんは頑張っていたよね。』
右 「手伝わせても逆に仕事を増やされますからね。」
その光景もいつも見ていた。
椿兄さんは食器を割るし、侑介も雑だから汚すし。
『ごめんね、手伝えなくて。
でも今は絵麻ちゃんが居るし、料理も上手らしいから良かったね。』
右 「A..」
お腹を空かせた足音が聞こえる。
お茶碗にご飯をよそい、お盆に乗せる。
椿 「俺のかーいいA〜!
おはよーのぎゅーっ!」
『つ、椿兄さん!!勢いが強すぎるよ、もう〜。
おはよう。梓兄さんもおはよう。』
梓 「おはよう、A、
椿もそろそろ離してあげて。」
抱きついて離れないからそのままの格好でいるけど、本当はすごく嬉しい。
おはようと言っても聞こえなかったから、
返事が返ってくることもなかった。
当たり前の日常こそ幸せなんだと思う。
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ゆうり - 曇りのち椿の続きが気になります!!!更新頑張ってください!!! (2016年9月27日 19時) (レス) id: 9a740452e6 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - アップルキャンディさん» もちろん覚えているよ。コメントありがとう!お互い更新頑張ろうね! (2016年2月8日 9時) (レス) id: 7fadd6fd7b (このIDを非表示/違反報告)
はなな〜☆ - あったかくも切ないお話ですね… ラストはどうなるんだろう?続きが気になります!とても素敵な作品です!モカさんの作品、大好きです♪更新、頑張ってください! (2016年2月8日 0時) (レス) id: f2b435662e (このIDを非表示/違反報告)
アップルキャンディ(プロフ) - モカちゃん、お久しぶりです。私のこと、覚えてるかな…?て、私の勘違いだったらごめん(笑)モカちゃんの作品、あったかさがあって好きだな♪キャラがめっちゃ大切にされてる感じがある。更新楽しみにしてる! (2016年2月7日 22時) (レス) id: 6b17a8d120 (このIDを非表示/違反報告)
朔 - めっちゃ泣きそうになって読んでます…笑 次の展開が楽しみです♪( ´▽`) (2016年1月21日 10時) (レス) id: c66d99a0c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2016年1月5日 17時