明日を描こう (ページ10)

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智は麻酔科医に目で合図をして、和が眠るまで見守っていた。

智『では、準備してきますのでよろしくお願いします。』

和が深い眠りに入ったことを確認してから自身の準備のために、後のことは他のスタッフに任せ、一度手術室からでた。

智『では、始めます。』

再び手術室に戻ってきて、挿管されている和の姿を見るのは辛かったが、今は兄ではなく1人の執刀医として手術を開始した。

潤『まさにぃ、はいPHS。鳴ってるよ。手放しちゃダメだよー。』

雅紀『ごめんごめん。はい、福原雅紀です。』

翔『あ、雅紀？手術終わったよ。今はICUにいる。これそう？』

雅紀『今ちょうど手が空いたから、潤とそっちいくわ。お疲れ様ー。』

雅紀は電話を切ると、潤に内容を伝え、2人でICUに向かった。

翔『かーず、頑張ったね。』

雅紀と潤がICUに来たとき、智と翔がいて翔は頭をそっと撫でていた。

智『もしかしたら、もうすぐ麻酔切れるかもしれないけど一応脱管は明日の朝にしようかなって考えてる。』

潤『もし起きたら、側管から薬入れて眠らせる？』

智『そうだね。なるべく苦しいって思わない方がいいだろうからそうするよ。』

和『…んぅ…』

智『あっ和、起きた？』

智が握っていた手がかすかに動いたと思ったら、和がうっすら目を開けた。

まだぼーっとしているが少し口角が上がったように思えた。

潤『まだしんどいなー和。もうちょっとねんねしようなー。』

まだ挿管しているため、潤がそっと側管から薬を入れて眠らせた。

智『おやすみ、和』

雅紀『まあでも、意識は戻ったからひとまず安心だね！』

翔『そうだな。明日の脱管は潤に任せるよ。俺嫌われたくないし笑』

潤『えっ！？俺なの？俺だって嫌われたくないよ。』

その後も誰が脱管するかでもめ、最終的に翔に任され、翔はなんとか和に嫌われない方法を探していた。