明日を描こう (ページ8)

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和『…んぅ、ん…』

智『あっ和、おはよう。智にぃにもきたよー。検査頑張ったね。今日の夜は潤にぃにが和の大好きなハンバーグを作って持ってきてくれるって！よかったねー。』

検査から帰ってきて、疲れと朝が早かったことですぐに和は寝てしまっていた。

和『はんばぁーぐー？やったー！もうおいえかえるー？』

翔『ごめんね。まだね、お家に帰れないの。でもねにぃにたちはずっといるよ。』

3歳の和にはなぜ病院にいないといけないのかまだ理解はできなかった。

ただ、病理検査が必要であり、手術の日程を組まないといけないため、いつ退院ができるか正直まだわからなかった。

智『和も入院がストレスになるだろうからさ、なるべく早く手術日を決めるようにするよ。でも早くても再来週かな。緊急じゃない限り、来週は無理そうだね。』

翔『また決定したら教えて。』

その日の夜、兄弟全員が和の病室に集まって夜ご飯を食べていた。

雅紀『和美味しい？よかったねー潤にぃにがハンバーグ作ってくれたね。』

和『おいしー！じゅんにぃにのはんばぁーぐすきー！』

潤『ありがとう和。たくさん食べな。今日は頑張ったからね。』

雅紀と潤の学会や和の入院があり、5人全員でのご飯は久しぶりだった。

智『かーずーもう眠くなっちゃった？今日はよく寝るねー。じゃあ先にごちそうさましよっか。』

和『ごち…っさまぁ…』

小さな手を合わせてごちそうさまをすると、そのまま和は眠ってしまった。

4人は和のまだまだ幼い寝顔を見ながら、静かにご飯を食べていた。

雅紀『まだ…まだわからないけど、これから和は辛い思いをしていく‥かもしれないんだよね。なんでまだ3歳なのに‥俺、信じられないよ。』

人一倍繊細な雅紀は涙を流さずにはいられなかった。

智『きっと大丈夫。5人なら必ず乗り越えられる。俺はそう信じてる。』

智の言葉に3人は治療が始まるまでの穏やかな日々を大切に過ごそうと誓った。

明けない夜はない。必ず朝はやってくると信じて。